含まれる「鉄」の多さで、貧血と言えばまず第一に上がる名前がほうれん草ですね。ポパイがパワーアップのために食べる栄養満点野菜としても有名かも知れません。今やポパイを知っている人が少ないかもしれませんが。

ほうれん草は「鉄」以外にも多くのビタミンやミネラルが含まれた栄養野菜です。ほうれん草とよく比較される「小松菜の栄養」もご参照ください。

具体的な働きや効能について説明しますのでぜひご参考にしていただければ思います。

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ほうれん草の栄養と効能

ほうれん草の種類

主に、東洋種、西洋種、交配種があります。

  • 東洋種は、葉が薄く、葉先はとがっていて、葉のきれこみが大きい。根元の赤い色が濃いのも特徴です。葉は柔らかく、味は、アク(しゅう酸)が少なく、甘みがあります。
  • 西洋種は、東洋種とは逆に、葉自体が大きく肉厚で、アクが強く、根元はあまり色が無く白っぽいのが特徴です。

豊富な栄養素

ほうれん草の栄養と言えば「鉄」ですが、それ以外にも、カルシウムやカリウム、ビタミンA、B1、B2、C、E、βカロテン、葉酸などが多く含まれています。栄養素がバランスよく含まれている葉もの野菜の代表とも言えるのです。

貧血にいい理由

「鉄」が体内にスムースに吸収されるためには、ビタミンCが必要です。また造血作用を促すには葉酸やビタミンB群、ミネラルが必要。ほうれん草にはこの全部が含まれているために、貧血に効く野菜の代表のように言われているのです。日常的に摂り入れていきたい野菜の一つですね。

βカロテンとクロロフィル

  • βカロテン
    βカロテン
    は、体内に入るとビタミンAとして働き、特に目や粘膜に関して有効に作用します。
    参考記事:ベータカロテンの美容効果は?過剰摂取するとどうなる?
  • クロロフィル
    βカロテンの黄色い色素と、クロロフィルの青色が混ざって、ほうれん草の緑色を作っています。クロロフィルは、悪玉コレステロール(LDL)の値を下げ、しかも善玉コレステロール(HDL)の値を上げるとされています。クロロフィル(葉緑素)にもこんな素晴らしい作用があったことを知らなかった方も多いのではないでしょうか。

ビタミンC

強力な抗酸化作用が期待できるビタミンCですが、冬(2月頃)に育ったほうれん草に含まれるビタミンCは、100g中60mgと非常に多いのです。

ただし、夏のほうれん草には20mgとかなり少なくなります。ゆでるとビタミンCは半減しますので、さっと短時間で調理することです。

↑定番!ほうれん草のおひたし

ミネラル

「鉄」はそのまま摂るより、ビタミンCと一緒に摂る方がはるかに吸収率が高くなります。貧血気味の女性には大切な成分ですね。

「カルシウム」は、骨だけでなく歯をも丈夫にしてくれます。

「カリウム」は利尿作用が高く塩分を排泄し、むくみを解消したり、血圧を下げる働きをしてくれます。

ほうれん草には栄養吸収を良くするためのビタミンやミネラルがバランスよく含まれているのです。

しゅう酸

しゅう酸ほうれん草のアクです。摂り過ぎるとよくない成分ですが、茹でることでかなり流れ出ますし、日本で出回っているほうれん草のほとんどが交配種であり、含まれているしゅう酸の量は非常に少ないとされています。

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良いほうれん草の見分け方と保存方法


  • 青々と色鮮やかで、葉先までしっかりとしたハリ、葉の厚みと弾力があるもの。葉が傷んで黒ずんだ部分のないものを選びます。
    茎の下の方からも葉がついているものがありますが、これは栄養がいきわたって育った、とても栄養状態のよいほうれん草です。

  • 茎がしっかりとしていて、適度な太さのあるものを選ぶのですが、細くひょろひょろっとしているものは生育不足です。逆に太すぎるものは育ち過ぎて栄養分も少なくなっていることがあります。
  • 根の切り口
    最近はあまり見なくなったのですが、根の切り口部分は、濃いピンク色で大きく、みずみずしいものほど新鮮です。白に近いより赤みのあるものを選びましょう。この部分には「マンガン」が多く含まれており、骨の形成には欠かせない栄養素です。
  • 保存方法
    根もとの部分を水につけておきシャキッとさせます。それから水気を切って、湿らせた新聞紙やキッチンペーパーで軽く包んで、ビニール袋に入れて野菜室に立てて保存します。2~3日は持つのですが、ほうれん草は葉の先からどんどん水分が蒸発してしまいます。鮮度が命の葉野菜ですから、すぐに調理してしまうのがベストです。

↑ほうれん草を使ったカポナータ

手早くさっとゆでる

ゆで過ぎると、栄養分がほとんど抜けてしまい、味も落ちるので注意が必要です。
たっぷりのお湯を沸騰させて塩を加えます。茎の部分から先に湯に入れます。ゆでる時間は強火で2分程度で十分です。ちょっとしな~っとしたかなと思う程度でOKです。ゆで上がったら、水にさらしてアク抜きして、水気を切ります。

アク抜き

茹であがったほうれん草のアクを抜くとき、水にさらすのですが、熱い鍋から冷たい水に急激に冷やすことでアク(しゅう酸)が流れ出ていきます。長い間水につけておくと栄養分やうま味成分も一緒に流れ出てしまいますので注意しましょう。

冷凍保存

冷凍保存しておきたい場合は、少し硬めにゆでておき、いくつかの束に分けてラップをして保存します。

まとめ

ほうれん草が貧血に効く良い野菜というのは、よく知られているようですが、ほうれん草には、鉄分を効率よく吸収するために必要な必要なビタミンやミネラルまでが豊富に、しかもバランスよく含まれているのです。だからと言って、ほうれん草ばかりを食べるのはNGです。「鉄分の多い食品」もご参照ください。

同じビタミンであっても、多種類の食品からバランスよく摂取することが健康にはいいのです。ほうれん草は手軽に調理できて栄養も豊富ですから、いつも揃えておきたい野菜ですね。

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