柿と言えば、だいたいは「実」のことで、ほとんど柿の葉のことは思いつかないですね。柿と柿の葉の健康効果は昔からよく知られていて、民間薬として使われてきています。
柿の葉には食品中でもかなり多くのビタミンCを含んでいますから、風邪予防や風邪の初期などにも柿の葉茶が体にやさしく効いてくれると思いますよ。
目次
柿の葉茶(柿茶)の作り方
よく水洗いした柿の葉を、蒸し器で数分間蒸します。
蒸し上がったら、少し冷ましてから、3ミリ幅程度の短冊切りにします。両手で握って「あく」を絞ります。
日陰で干して、よく乾燥させれば柿の葉茶の完成です。
柿の葉茶は庭に柿があれば、自分でも作れますが、「柿の葉茶」の茶葉はドラッグストアなどでも購入できます。
お茶の入れ方
一つまみの柿の葉を急須に入れてお湯を注ぎます。成分がよく出るまで数分待ってから飲みましょう。
熱湯を注いでもビタミンCが壊れない
柿の葉茶には非常に多くのビタミンCが含まれていますが、熱を加えてもその効果はほとんど落ちないと言われています。
お茶以外にも利用できます
柿の葉茶がもっとも有名ですが、お茶以外にも料理に利用できるのです。
料理に使うなら、5月から7月頃に柿の木に若葉がたくさん出てきますので、この時期の若葉を使うことでビタミンCもしっかり摂取できます。
しっかり洗って生で食べることもできますが、柿の葉のてんぷらにすると食べやすいです。きざんだ柿の葉と人参やたけのこなどの具材を入れた混ぜご飯もいいですね。
良質で熱に強いビタミンC
熱に強い
柿の実と同様に柿の葉にもビタミンがたっぷりと含まれています。
ビタミンCは熱に弱いものとされていますが、柿の葉に含まれるビタミンCはプロビタミンCといって、ビタミンCになる少し手前の状態のもので、熱を加える処理をしてもその効果がほとんど落ちないのです。
野菜と比べてもダントツに含有量が多い
野菜の中でもビタミンCの量が非常に多いとされているパセリのビタミンC含有量は100g中200mg、ブロッコリーは100g中160mgほどです。
柿の葉の若葉に含まれるビタミンCは、なんと100g中1000mgもあるのです。レモンや緑茶の約10倍、トマトの約50倍もあります。
副作用が無い
ビタミンCのサプリメントや錠剤などで、多量に摂取してしまうと、余剰分は排泄されてしまいますし、人によっては下痢ぎみの症状になることもあります。
しかし柿の葉のビタミンCはもちろん天然のものですから、多く摂取しても副作用がありませんので安心です。
含有量が多いため、少量の柿の葉でも多くのビタミンCを摂取することが出来ます。
ビタミンCの効用
体の抵抗力・免疫力を高めるため風邪の予防として有効であることはよく知られています。ビタミンCには抗酸化作用があり、老化を防止するビタミンでもあります。
また、歯みがきのときに、歯茎から血が出る場合もビタミンCが有効です。
皮膚や骨をつくるコラーゲンの生成には不可欠で、ビタミンCは補酵素として作用するので美肌効果も期待できるのです。
ビタミンCはカラダの細胞を造るために必要不可欠な成分であり、常に補給する必要があるものですから、いつでも摂取できるようにしておきたい栄養素なのです。
ただしビタミンCが有用だからといってこれだけを多量に摂取してもほとんど意味がありませんので、バランスよく何でも多品種の食品を摂ることは基本ですね。
柿の葉茶はノンカフェイン
カフェインが含まれていると、その日は寝つきが悪くなることもありますが、柿の葉茶のはカフェインが含まれていませんので、就寝前に飲んでも大丈夫ですね。
寝る前に、ビタミンCが多く含まれた柿の葉茶を飲むと、ビタミンCが吸収されるのはもちろんですが、就寝中の血流が遅くなるために余剰なビタミンCの排出も遅くなるのです。そのため、肌の状態には好影響があると考えられます。
タンニンがちょっとくせもの?
タンニンは柿の渋みや栗の渋みの成分のことなのですが、この渋い味のため、動物に食べられないように植物自身を守っている働きをしていると言われています。
柿の葉には、ポリフェノールも多く含まれ、そのの一種であるタンニンも含まれています。
便秘がちな方は注意
ポリフェノールは血圧を下げる効果も認められているのですが、タンニンは便秘の原因の一つとも言われる物質であるため、過剰に摂取すると便秘になるともいわれているのです。
ビタミンCの効用はたしかにあるのですが、便秘気味の方はあまり大量に摂取しない方がいいかもしれませんね。
貧血気味なら控える
特に貧血気味の女性の場合、貧血解消のため鉄分を多めに摂取するように心がけていると思います。
せっかく摂取したい鉄分ですが、タンニンがそれを阻害することもあるのです。「タンニン」と「鉄」が結びついくことによって、鉄分が小腸から吸収されにくくなってしまいます。
されにくくなる、ということで必ず貧血症状になるというわけではありません。
それは、柿の葉に含まれるビタミンCの働きとして、鉄の吸収を助ける役割もあるのです。ですから、人によって、また体質やその時の体調によっても違ってくるので「タンニン」が悪いということはできないのです。
貧血気味なら、飲み過ぎには注意したほうがいいかもしれません。
農薬には注意
若葉が有効
庭の柿の葉を自分で採取するなら、出来るだけ若葉の方がよく、葉が硬くなっているとビタミンCの含有量も減っており、お茶にしたときの風味も落ちます。
ただ、若葉をたくさん摂ってしまうと、肝心な柿の「実」がならなくなることがあります。まあ、どっちを取るかですね。
農薬が落ちにくい
栽培農家で柿を作っている場合、柿の実には農薬がかからないように注意を払っていると思われますが、「葉」には多くの農薬が付着している場合があり、そのような場合、農薬は簡単に水では洗い流せないようです。
農薬は「葉」にはしっかり付着してしまっています。
もちろん、このような「葉」を使わず、無農薬として販売されているものを利用した方が安心です。出来れば国産の方が安心出来ると思います。
まとめ
柿の葉茶には、多くのビタミンCが含まれ、体に様々な効用をもたらしてくれるのですが、貧血気味や便秘がちの方はあまり多くの量を摂らない方がよさそうです。多くても1日に3杯位が適量かと思われます。
柿の葉は「薬」ではないので、明確な効能や副作用はないと考えていいです。ビタミンCが多く含まれる食品としてぜひ飲んでみてください。