温かい飲み物はそれ自体である程度体は温まるのですがなかなか温かさが持続しないものです。飲み物の中でも紅茶は体を温めると、テレビの健康番組などでもよく取り上げられていますが、実際に「紅茶」に体を温める効果がどれほどあるのでしょうか?
秋から春先にかけて、体の芯から温まる飲み物で、少しでも体の冷えや冷え性改善につながればいいですよね。体を温める紅茶の入れ方や飲み方、体を芯から温めて、その温かさを持続するにはどうすればよいかなど具体的に紹介します。
目次
紅茶が体を温める根拠は?
紅茶は完全発酵茶
紅茶やコーヒーはカフェインが多く含まれていることは、ご存知の方も多いと思います。カフェインは、摂取する量にもよると思いますが、体を冷やす作用があります。にもかかわらず、紅茶が体を温めるというの、紅茶が「発酵茶」であるからなのです。
お茶はその発酵の度合いが高いほど体を温める効果も高いのです。紅茶は茶葉を「完全発酵」させて作られていますから「完全発酵茶」である紅茶が体を温めるには最も効果がありますよ。
発酵茶の分類(お茶の分類)
お茶の葉は様々な種類があるのですが、極端に言うと一つの「お茶の木」から、その栽培方法や製造方法・発酵方法の違いで、様々な名前の「お茶」になっていくのです。つまり、加工方法によって緑茶にもなれば紅茶やウーロン茶にもなるのです。
お茶の葉には「酵素」が含まれていて、酵素があるからこそ「発酵」の状態を作り出すことが出来ます。発酵させるというのは、酸化反応の一つで、発酵の状態によってお茶は大きく3種類に分けることが出来ます。「不発酵茶」「半発酵茶」「発酵茶」の3つです。
- 不発酵茶:お茶の葉を摘んだら、蒸気を茶葉に当てることによって、茶葉が発酵しないように加工しています。緑茶がそれに当たります。玉露や煎茶、番茶、ほうじ茶、玄米茶などです。
- 半発酵茶:茶葉を摘んだら、一定期間だけ発酵させて、その後は不発酵茶の処理と同じように蒸気をあてて発酵を止めてしまいます。ウーロン茶がそうです。中国の福建省産の烏龍茶は有名ですね。
- 発酵茶:摘んだ茶葉をまずは完全発酵させます。その後手を加えてお茶を作っていきます。まさに「紅茶」が発酵茶なのです。
日本で「お茶」といえば緑茶やほうじ茶、玉露などがまずイメージされると思いますが、世界基準で「お茶」といえば「紅茶」のことを指します。全世界で作られているお茶のなんと約80%ほどが「紅茶」なのです。
紅茶はどのようにして製造されるの?
お茶の葉はもともと「酸化発酵」する性質を持っています。摘んだお茶の葉を、大型乾燥機を使ってある程度の期間乾燥させてから、「揉み」の工程に入ります。生産者さんや製造するお茶によっても違いますが、手揉みや機械揉みがあります。その後発酵させるために「発酵室」と呼ばれる室で蒸気をあてて完全に発酵させていきます。発酵直後は水分を豊富に含んでいるので、発酵後の茶葉を乾燥させれば紅茶の出来上がりです。
紅茶の健康美容効果
完全発酵させたことによって、紅茶の茶葉にはポリフェノールが多くなります。
紅茶にはカテキンのほか、テアフラビンといった「紅茶フラボノイド(ポリフェノール)」が含まれているために、体を温めるだけでなく健康美容効果も期待できるのです。
テアフラビン
テアフラビンはポリフェノールの一種なのですが、抗酸化作用や抗菌作用が非常に高いため、虫歯の発生を抑制する作用として効果的です。緑茶に含まれるポリフェノール(カテキン)にも同じ効果があるのですが、テアフラビンの方がより効果が高いとされています。
紅茶フラボノイド(ポリフェノール)の健康効果
ポリフェノールは、抗酸化作用があるため老化防止、シミ・シワの予防による美肌効果、血中コレステロール値の低下作用が期待できます。インフルエンザや風邪の予防、虫歯予防にもポリフェノールは効果的です。
紅茶の入れ方・体を温める効果的な飲み方
湯温は95℃で!
紅茶が体を温めるからといって、大量に飲んでも「身体を温める」効果がアップするわけではありません。おいしい紅茶を入れるには完全に沸騰したお湯ではなく95℃くらいのお湯が最も良いとされています。この5℃の差を見分けるのは難しいですが、お湯が沸騰する直前で火を止めればいいでしょう。
100℃のお湯では、紅茶の茶葉はどよ~んとポットの底にそのまま沈んで動かなくなります。ところが95℃のお湯では、茶葉のジャンピングが見られます。いったん下に沈んだ茶葉が再び浮き上がりポットの中を動き回ります。
紅茶の茶葉のジャンピングがあったほうが、茶葉の成分も良く出ると考えられます。
甘味料は入れないこと!
温かい紅茶には砂糖がちょっとほしいところですが、砂糖自体に体を冷やす作用があるため砂糖は入れない方がいいです。では、蜂蜜はどうでしょうか?蜂蜜は、熱い飲み物に入れると、はちみつの成分が良くない方向に変化するので、入れない方がいいのです。
体を温める目的で紅茶を飲むなら、甘いお菓子と一緒に食べるのもNG。
レモンが入ったストレートティーがいいでしょう。夜寝る1~2時間ほど前に飲むといいですが、カフェインで眠れなくなる方は朝一番の一杯がいいと思います。
参考:はちみつを加熱すると毒になる
まとめ
参考:しょうがココア健康法
紅茶で体を温めるなら「しょうが紅茶」や「しょうがココア健康法」という方法もありますね。紅茶の、体を温める作用に加えて生姜の発汗作用でさらに体を温める効果が高まります。ちょっと手間がかかりますが効果的ですね。
でも手軽に紅茶を飲むなら95℃の湯温で、ガラスのティーポットなどで茶葉をジャンピングさせるのを見ながら、ちょっと高級な紅茶でも飲んでみてはどうでしょう?茶葉の香りもリラックス効果抜群ですよ。