モロヘイヤに毒が含まれているなんて・・・。ネバネバ野菜として、超栄養価の高い「モロヘイヤ」に注目が集まった時期のことを、私もなんとなく覚えています。エジプトからやってきた野菜で栄養満点で、体への効能も素晴らしく、申し分ない野菜だといわれていましたね。

しかしそんなモロヘイヤにも「毒」になる部分もあったことを知っていましたでしょうか?

一般に販売されているモロヘイヤには毒性がないように検証されているから大丈夫なようですが、家庭菜園されている方は十分な注意が必要だと思います。

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原産

熱帯アジア原産の緑黄色野菜です。日本国内で栽培され始めたのは、1980年代ですが、優れた豊富な栄養素があり、栽培自体も難しいものではないため、一気にモロヘイヤの名前が広まったのです。

エジプトでは、砂漠地帯でも生育する野菜として5000年以上も前から栽培されてきています。7月から9月頃が旬でおいしく食べられる時期です。

モロヘイヤの効能と栄養

「野菜の王様」「栄養素のかたまり」といわれるほど、多くの栄養素をバランスよく含んでいます。アラビア語で、モロヘイヤは「王様の野菜(ムルキーヤ)」という意味だそうです。

多くの栄養成分を含んでいる野菜の場合、匂いや味にクセがあることが多いのですが、モロヘイヤに関しては、クセもなく、少しの甘みを感じますので、量的にも多く摂取することが出来ます。

カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、ビタミンB1、B2、B6、C、葉酸、パントテン酸など多くの栄養成分を含んでいます。ビタミンB2はほうれん草の約20倍、カルシウムは約7倍も含んでいます。

活性酸素を中和する働きもあり、疲労回復、生活習慣病や更年期障害予防も期待できるほどの栄養があります。

βカロテン

βカロテンの量が非常に多く、100g中10000μgも含まれています。これは、βカロテンが多く、βカロテンのかたまりといわれるほどの「ニンジン」よりも多いのです。ちなみにニンジンのβカロテンの含有量は100g中8200μgとされています。参考記事:ベータカロテンの美容効果は?

βカロテンの働き

βカロテンは体に摂取されると、必要に応じてビタミンAに変換されます。このビタミンAは目の働きには大切な役割を果たしますので、ビタミンAが欠乏すると、夜間、目が見えにくくなる症状が現れることがあります。

また、体内の粘膜を正常に保つ働きがあって、皮膚の健康状態も保ってくれます。βカロテンを効率よく摂取するには、脂溶性であるため油を使って調理することです。

ムチン

モロヘイヤの、刻むとぬるぬるしてくる、あのヌメリ成分のことです。このぬめり成分はムチンといって、水溶性食物繊維とたんぱく質などが結合した成分です。

納豆やオクラ、山芋、里芋などにも含まれています。ムチンは胃腸などの消化器官、鼻やのどの粘膜を潤して、目の粘膜を保護する働きをしてくれます。また、肝機能や腎臓の機能を高める作用もあり、細胞が活性化されるため老化の防止・疲労回復にも役立ちます。

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モロヘイヤには毒がある!?

モロヘイヤは夏の野菜の代表ともいえる野菜で、7月頃から9月頃まで収穫できます。秋には小さな黄色い花が咲き、めん棒の頭くらいの小さな実がなります。
茎から、小さな枝状の軸が数センチ伸びて、その先端に実をつけます。

ストロファンチジン

アフリカでは、原住民が狩りのときに、モロヘイヤに含まれるストロファンチジン」を矢毒として使っていたといわれています。

強心配糖体である「ストロファンチジン」はモロヘイヤの果実や種に含まれていますが、茎、種、葉には含まれていません。ただ、茎から伸びているさや状の部分と「実」は取り除くようにしましょう。

市販されているモロヘイヤは大丈夫!

実や種には、ストロファンチジンが含まれていますが、スーパーや青果店て売られている葉物のモロヘイヤは、収穫時に毒性のある部分がカットされているかがチェックされていますので、安全と言えます。

しかし栽培が簡単ですから、庭などで自家栽培する場合は、実や種を食べないように充分に気をつけなければなりません。

内閣府・食品安全委員会の報告

内閣府・食品安全委員会の報告によりますと、モロヘイヤに含まれる強心配糖体は成熟した種の部分に最も多く含まれるが、収穫期や発生期の葉や茎、根、つぼみの部分には含まれないと発表しています。

野菜として一般に売られている「モロヘイヤ」やモロヘイヤを使った健康食品、お茶などからも検出されないとしています。
普通に売られているモロヘイヤは安心ということですね。

モロヘイヤの選び方と保存方法・調理方法

  • 選び方
    モロヘイヤの若葉は薄いのですが、柔らかくても、しなっとしたものではなく、しっかりとハリがあって、鮮やかな緑色でみずみずしいものを選びましょう。茎もやわらかな弾力があるといいです。
  • 保存方法
    湿らせた新聞紙かキッチンペーパーに軽く包んで、ビニール袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で立てて保存します。時間がたつと葉が硬くなってしまうので、早めに食べきりましょう。
  • 調理方法
    モロヘイヤの若葉は生のままでも食べられるのですが、アク(蓚酸:シュウサン)を多く含んでいるため、アク抜きをしたほうがよいでしょう。
    熱湯にさっとくぐらせ、急激に冷たい水にさらすことでアク抜き出来ます。水にさらすのは短時間でOKです。さらし過ぎると栄養分も流れてしまうので注意します。
  • 調理例
    葉をさっと湯通ししたら、アク抜きして、包丁でたたいて細かく刻んでいくと、だんだんヌメリが出てきます。
    ほうれん草のように、おひたしにすることが多いようですが、スープや味噌汁に入れたり、卵焼きに混ぜ込んだりといろいろ工夫ができると思います。
    このまま納豆に混ぜたり、少量の醤油をたらして熱い白ご飯にのせてもおいしく食べることが出来ます。

まとめ

参考:ベータカロテンの美容効果は?過剰摂取するとどうなる?
モロヘイヤは超スーパー健康野菜です。エジプトの王様の難病も治してしまったといわれている「野菜の王様」が、たった30数年ほど前に日本に来て、すっかり定着してしまったんですね。日本では主に群馬県や三重県で生産されています。

普通に買うモロヘイヤには、毒性もありませんから、超健康野菜として積極的に食べていきたいものですね。

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