日常の食材として欠かせない卵。完全栄養食品でもあり、ほぼどんな料理にでも使うことができますね。ただ、完全栄養食品といっても調理方法の違いによって、栄養価や栄養成分に変化があるのかどうか気になりませんか。
生卵の状態から、卵を加熱した場合にその栄養成分がどのように変わるのか詳しく紹介しますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
目次
熱に弱い卵の成分は?
完全栄養食品といわれる卵は、加熱するとどのように変化するでしょうか・・・
栄養成分に変化はあるのか
卵に含まれる微量栄養素や、熱に弱いとされるタンパク質やビタミンB群は、加熱することで減少はするのですが、激減するとか無くなってしまうということはありません。
若干減少が見られるという程度で、栄養価としても大きく差が出るというほどではないのです。ですから、卵は加熱するか生で食べるかで、栄養成分の増減はほとんどないので、ほぼほぼ気にすることはありませんね。
加熱した卵は保存期間が短くなる
加熱と生では栄養価の違いは殆どないのですが、卵を加熱すると、卵が持つ細菌に対する抵抗力は減少してしまいます。この抵抗力とは「リゾチーム」という成分です。リゾチームは熱に非常に弱く、加熱することで消滅してしまうのです。
リゾチームが消滅すると、細菌に対する抵抗力がなくなり、熱を加えた卵の保存期間が短くなってしまいます。生卵よりは保存期間が短くなるので、加熱した卵は早めに食べてしまう方が良いのです。
生卵を食べるときの注意
栄養的には、若干生卵のほうがいいのですが、生卵の食べ過ぎには注意しなければならない成分があるのです。それが「ビオチン」です。
ビオチン
生卵を食べすぎると、ビタミンB群の一種「ビオチン」という成分が体に吸収されにくくなってしまいます。
生卵の白身にはたんぱく質の一種であるアビジンが含まれていて、アビジンが体に入ると、胃でビオチンと結合してそのまま腸に運ばれます。栄養素の吸収器官である腸では、本来ならばビオチンが吸収されるのですが、生卵の白身を食べるとアビジンがビオチンと結合してしまっているため、ビオチンが吸収できない状態になってしまうのです。
ビオチンが吸収されないとどうなるの?
ビオチンは皮膚を正常に保ち細胞の成長にも関わる大切な栄養素です。体内にビオチンが不足すると、「白髪や抜け毛が増える」「湿疹が出やすくなる」「疲れを感じやすくなる」などの症状が出てくることがあります。
ビタミンBは疲労回復の栄養素とも言われますので、ビタミンB群に属するビオチンが不足することには注意しなければなりません。
また「生卵」の状態よりも、白身が固まっていない程度の「半熟卵」の状態のほうが、ビオチンが、より吸収されにくくなります。あつあつのご飯に生卵をのせると、ちょっと白身が固まりかけますよね。こんな状態が、「ビオチン吸収」に関しては良くないのです。
卵は何個まで食べていいの?
1日に2個までです。生卵を3個も4個も食べることはあまりないと思いますが注意しておいたほうがいいですね。生卵に限らず「卵」は1日に1個が理想で、多くても2個までにしておきましょう。
ただ、外食が多くなると知らず知らずに卵を多く食べすぎていることもありますから、それが連日続かないようには注意しておいたほうがいいですね。
まとめ
栄養豊富な「卵」ですが、「加熱・生」の違いによる栄養成分の変化は殆ど気にすることはないレベルです。しかし、生卵の食べ過ぎで、ビオチンの吸収が阻害されて、肌や髪に悪影響があることは避けたいものです。といっても極端な食べ過ぎだけはしないようにしていれば問題ないでしょう。