トマト、好きですか?野菜サラダなどでは必ず素材として使われていますし、料理や付け合わせにも欠かせない素材です。煮込み料理や、生で食べることも多いと思います。
しかしトマトを食べる時は加熱して食べた方が栄養価がアップするのをご存知でしたか?栄養価が上がるだけでなく健康・美容効果もアップします。詳しく解説しますので是非参考にしてください。
目次
トマトの栄養素リコピンに注目!
リコピンと抗酸化作用
トマトの赤い色素は、カロテノイドの一種でリコピンという成分です。非常に強い抗酸化作用があり、リコピンを摂取することで健康効果、美容効果がアップします。
リコピンは、夏の強烈な紫外線からトマトの「実」を守る働きもしています。赤く熟したトマトほどリコピンを多く含んでいます。
トマト以外に抗酸化作用のある成分は、赤ピーマンのカプサイシン、人参やかぼちゃに含まれるβカロテン、鮭やカニに含まれるアスタキサンチンがありますが、トマトに含まれるリコピンが最も抗酸化力が強いのです。
リコピンは体内で生成されない
リコピンは必須栄養素ではありませんが、赤ちゃんの頃から体内に存在している栄養素です。母乳にリコピンが含まれているので、母乳を通じて赤ちゃんの体にもリコピンが存在しています。
といってもリコピンは体内で生成される成分ではないため、食事から摂取する必要があります。しかし、リコピンが必要だからと言って大量摂取しても、体内でのリコピンの貯蔵量が決まっているため、出来るだけ日々摂りづづける必要があるのです。
体細胞の酸化を防ぐために、リコピンをはじめとする抗酸化作用のある食べ物は欠かさず摂取することが大切です。
リコピンの活性酸素抑制効果
活性酸素とは
活性酸素とは、細胞を酸化させる作用が強い「酸素」といえます。簡単に言うと、活性酸素が体の中に増えると体が錆ついて、細胞が老化してしまいます。
活性酸素が体内で出来るだけ発生しないようにしたいところですが、体内に取り込まれた酸素の内2~3%は活性酸素になってしまうと言われています。
活性酸素が体を錆つかせるからといっても、体にとって全く不要なものではないのです。活性酸素は体内に入ってきた異物を攻撃したり、酵素反応を促す作用もある、必要な成分でもあるのです。
活性酸素は老化を早める
しかし活性酸素が異常に発生することが問題になってきます。
食べ物や飲酒、ストレス、喫煙、紫外線などの影響で、活性酸素が増加する場合があります。増加した活性酸素は、酸化作用が強いため、遺伝子や脂質、タンパク質をへん変性させてしまうのです。要するに体内の細胞を傷つけて錆させる、老化させていくのです。
リコピンが活性酸素を抑制する
カロテノイドの一つであるリコピンは、抗酸化作用が強いために活性酸素の増殖を抑えることが出来るのです。
ビタミンCやE、βカロテンなども抗酸化作用は強いのですが、リコピンはβカロテンの2倍以上の抗酸化力があることが分かっています。
抗酸化力が高いと言われている野菜の中でも、トマトが最も多くのリコピンを含んでいますから、毎日少量でも摂取したいものです。
トマトで健康・美容効果アップ
カリウムのむくみ防止効果
トマトに含まれるカリウムは、体内の塩分濃度を調整して余剰な塩分を排泄してくれる働きがありますから、「むくみ」の予防に効果があります。1日に必要なカリウムは約1600~2000mgで、小ぶりのトマト一個で約200mgのカリウムが摂取できます。
美白効果・しわ予防効果
メラニン色素が多いと、いわゆる色黒になります。メラニン色素を作るチロシナーゼという酵素の働きを抑える物質が原因で、肌が黒くなってしまいます。トマトに含まれるリコピンがこのメラニンの生成を抑えることで白い肌を保ってくれるのです。
また、活性酸素は細胞の働きを弱めてしまうため、肌にはその緩みが生じてシワができてしまいます。しかしコラーゲンに関する体細胞にリコピンを注入する実験では、コラーゲンの減少が抑えられるだけでなく、コラーゲンが増加するという結果も出ています。
ビタミンEとの組合せでさらに美白効果!
抗酸化作用の高いビタミンEとリコピンを一緒に摂取することで、1.5~2倍のメラニン抑制効果があることもわかっています。トマトと、ビタミンEを多く含む食品(アーモンド、モロヘイヤ、かぼちゃ、うなぎなど)と一緒に摂るようにするとさらに美白効果が高まりますね。
ダイエット効果
リコピンには、成長ホルモンを活発にし、基礎代謝を高めるため、ダイエット効果があります。しかし最初にも書きましたように、リコピンは体内の貯蔵量がある程度決まっていますので、大量に摂っても、過剰なリコピンは吸収されないので、もったいないだけです。しかし、多くの場合、リコピンは不足していますので積極的に摂取したいものです。
トマトは加熱すると栄養価・吸収率がアップする?
リコピンは効率良く吸収される!
トマトは加熱調理することで、トマトに含まれるリコピンはその構造が体に吸収されやすい形に変化し、リコピンの吸収率が2~3倍になることが分かっています。トマト自体、体を冷やす陰性の食品でもありますので、体の冷えを防ぎ、リコピンの抗酸化作用を高めるためにも、出来るだけ加熱調理して食べるようにしましょう。
リコピンはトマトの皮に多く含まれていますので、そのまままるごと食べるようにしましょう。湯むきなんて、栄養素を捨てているようなものですから注意しましょう。
トマトのビタミンCは半減!
トマトにはビタミンCも多く含まれていますが、ビタミンCは熱を加えることで半減してしまいます。ビタミンCをとるか、リコピンを効率良くとるか迷うところかもしれませんが、ビタミンCは多くの野菜に含まれていますので、ここはリコピン摂取の効率性を優先させた方がいいかもしれません。
まとめ
参考:トマトとトマトジュースで健康な体!栄養トマトの見分け方
ヨーロッパでは「トマトが赤くなると医者が青くなる」といわれるほど、トマトの栄養がが健康にいいことが知れ渡っているのですね。
トマトをまるごと加熱調理することで、リコピンが活性酸素を抑制し、美容や健康に作用してくれるのはとてもありがたいことです。
生で食べる時も「皮」を剥かずしっかり噛んで食べることが大切ですよ。