高野豆腐は実はすごく栄養が豊富な食べ物だって知っていましたか?主婦は知っている人も多いでしょうけど、高野豆腐に豊富な栄養素があることを知っている方は意外と少ないのです。
良質なたんぱく質が非常に豊富で、貧血予防に欠かせない鉄分などのミネラル、育毛に必要な亜鉛など、多種類の栄養素が含まれています。
中でも注目に値するのは、コラーゲンを生成するアミノ酸が豊富なことです。コラーゲンは美肌・美容効果には必須の栄養素ですね。
カッチカチの高野豆腐にコラーゲン生成力があるなんてとても思えないですが、いつもの食事メニューに「高野豆腐」を付け加えるだけで美肌作りできるのですから、是非、日常的に摂りたいものです。
目次
高野豆腐とはどうやって作られているのか?
高野豆腐は関西では凍り豆腐ともいいます。乾燥してカチカチなのに何故「凍り」かというと、木綿のお豆腐を凍らせて低温熟成させた後に乾燥させて作られるからなのです。
もともと高野山の地域で作られていたものが全国的に広まって「高野豆腐」と言われるようになったのです。
実は、「凍り豆腐」ができるもとになった出来事があるのですが、それは冬場に屋外に豆腐を放置していたら、偶然にも便利な食べ物ができてしまったということなんです。
でも、こんな乾燥したカッピカピの高野豆腐に、美容健康に欠かせない栄養素が詰まっているのですからちょっと不思議な気もします。
では具体的に高野豆腐の栄養素をみてみましょう。
高野豆腐の栄養素と美容効果・健康効果
この記事のタイトルにもありますが、高野豆腐にはツヤ・ハリ・潤い・弾力のある美肌のもととなるコラーゲンを作るための、良質なたんぱく質(アミノ酸)が非常に豊富に含まれているのです。コラーゲンの美容効果はもちろん顔だけではありませんね。体全体の美肌、バストの美しさも作ってくれます。
コラーゲンを合成するたんぱく質と良質なアミノ酸
高野豆腐には実に多くのたんぱく質が含まれているのです。高野豆腐100g中、50.2gがたんぱく質で、これは木綿豆腐の7倍以上もの量なのです。卵と比べても約4倍の量のたんぱく質を含んでいます。
そしてこのたんぱく質を構成しているのが「アミノ酸」で、コラーゲンを合成する重要な栄養素になっているのです。プルプルのお肌にはコラーゲンが必要ですが、アミノ酸自体も肌の水分を保持してくれますので、肌の潤いを保つ働きもあると言えるのです。
高野豆腐のコラーゲン合成力がスゴイ理由とは?
高野豆腐にはアミノ酸の種類も多くバランスよく含まれているだけでなく、コラーゲンが構成されているアミノ酸のバランスと非常に近いのです。
コラーゲンを体内で合成するにはリジンとプロリンとビタミンCが必要なのですが、高野豆腐には、必須アミノ酸の一つであるリジンとプロリンが豊富です。アミノ酸は美肌を作るだけでなく肌荒れも防いでくれますから冬の乾燥肌対策にも欠かせない食材です。
髪の健康を保つ「リジン」の力
リジンは、コラーゲンの合成以外にも、美しい髪を作る栄養素にもなります。髪の毛はその99%がケラチンというたんぱく質でできています。リジンはたんぱく質の吸収力を高めてくれますから、美髪・髪の健康を作り出すためにはなくてはならない栄養素なのです。
高野豆腐はダイエットにも最適な食べ物です
高野豆腐は、味付けにもよりますが、比較的カロリーが低くダイエットにも最適な食品です。高野豆腐(水煮状態)100gあたり、約115kcalです。乾燥状態の高野豆腐は100gあたり536kcalもあります。
けっこう高カロリー!と思われたかもしれませんが、高野豆腐は乾燥状態で食べることはありませんし、水煮の状態でもそんなにたくさん食べられるものでもありません。
高野豆腐がダイエットに良いとされるのは、1枚でも食べごたえがあって、腹もちも良いうえに、痩せるために必要な栄養が含まれていますので、体の健康を維持した状態で、体力や筋力を落とすことなく、自然な痩せ方ができることにあるのです。
もちろん、高野豆腐だけを食べるダイエットは良くないと、私は思います。いろいろな食材から栄養をとりつつ、ダイエット食材には「高野豆腐」を取り入れるというスタンスが最適ではないかと思います。
貧血によい鉄分
貧血の予防や改善に鉄分が必要なことは良く知られていますね。高野豆腐には、1個(約16g)あたり、鉄分は1.2mg含まれています。
大人が1日に必要な鉄分量は、1mgなのですが、鉄分は摂取した鉄分量の約10%しか吸収されないので、実際には1日に必要な鉄分量は10~12mg(成人男性で10mg、成人女性で12mg)なのです。
高野豆腐だけで全鉄分を補うことは難しいですから、いろいろな食材を摂ることは大切ですが、高野豆腐1個に約1.2mgの鉄分が含まれていることを知識として知っておいて、意識的に鉄分を欠かさないようにしましょう。
大豆イソフラボンの効果
大豆イソフラボンは高野豆腐には非常に豊富に含まれており、女性ホルモンのエストラゲンに似た働きをします。骨粗鬆症や更年期障害の予防に有効に働きます。
また抗酸化作用が高いために、体内に活性酸素が発生することを抑制して、細胞の老化を防ぎます。簡単に言うと、肌の状態を美しく健康に保つ働きがあるのです。
高野豆腐にはビタミンEも多く含まれていて、同じく抗酸化作用が高いので美肌効果が期待できます。
大豆サポニン
コレステロール値が気になる男性にとっても、大豆サポニンはうれしい働きをしてくれます。大豆サポニンは血中コレステロール値の上昇を抑え、中性脂肪を下げる効果がありますよ。
体内でコラーゲンが効率よく作られるために必要なこと!
高野豆腐に含まれる良質なたんぱく質(アミノ酸)を、効率よく体に吸収するためには、ビタミンBが必要です。ビタミンB群は、たんぱく質の吸収を補助する働きがあるからです。せっかく良質なたんぱく質(アミノ酸)を摂っても、ビタミンBが不足していると、体はたんぱく質を吸収することができずに、そのまま排出することになってしまうのです。
ビタミンB群の中ではビタミンB6が特に大切です。B6を含む食材には、にんにく、鶏ささみ、鶏ムネ肉、マグロ、カツオなどがあります。ビタミンB2を含む食材には、納豆、卵、うなぎ、ほうれん草、キノコ類、牛豚鶏のレバーなどがあります。
高野豆腐に含まれているカルシウムやマグネシウムもたんぱく質の働きを促進します。
まとめ
高野豆腐って意外に栄養豊富なんですよね。たんぱく質は体を作る素になるものですから、高野豆腐から良質なたんぱく質を摂って美容・健康の一助にしたいものです。
高野豆腐は、一日の内、朝昼晩どれかの食事メニューには必ず入れておきたい優秀な食材ですが、味付けによっては高カロリーにもなってしまいから、そのあたりは注意しておいた方がいいですね。時にはスーパーのお惣菜コーナーの「高野豆腐」もいいとは思いますが、食品添加物が多いので気を付けましょう。