年中いつでも手に入るキャベツ、特に春キャベツは甘みがあって柔らかくておいしいですね。毎日のように食材として使うものですから、効率良く栄養を摂りたいものです。
キャベツは加熱調理すると栄養が無くなってしまうというのは本当なのでしょうか?生で食べた方が栄養を効率良く吸収できるのか、栄養を逃さず最大限に栄養を摂取する方法について詳しく紹介します。
目次
キャベツの栄養
ビタミンが豊富
キャベツはあまり栄養たっぷりな野菜のように見えないかもしれませんが、実はビタミン類が豊富に含まれているのです。
ビタミンA、B1、B2、Cをはじめ、ビタミンK、聞き慣れないビタミンUの効能も見逃せません。マグネシウム、リン、鉄、カリウムなどのミネラルも豊富に含まれています。
ビタミンB1は、疲労回復に欠かせない栄養素。ビタミンCは抗酸化作用が強く、体の細胞が老化するのを防ぎ、ビタミンKはカルシウムが体に吸収される際の補助的な役目を果たしてくれます。そして注目したいのがビタミンUです。
ビタミンU
ビタミンUは、「胃腸」の調子を整える栄養素として注目されているのです。胃の調子が悪い時、ビタミンUは胃壁を修復し、粘膜を再生します。胃酸の分泌も過剰にならないように調整してくれます。
肝機能を高める働きもあり、脂肪肝の予防にもなると言われています。しかし、この優れた作用を持つビタミンUは加熱することで、その作用が薄れてしまうので注意が必要です。
キャベツの栄養については「キャベツの栄養と効能|ビタミンUの効果に注目!」で詳しく紹介していますのでぜひご参照ください。
キャベツを加熱調理すると栄養はどうなる?
熱に弱いビタミン類
せっかく栄養豊富なキャベツですが、食べる時に栄養分が減少してしまっていては、非常にもったいないですね。特にビタミン類は熱に弱いので、出来れば熱を加えずに「生」で食べるようにして下さい。
抗酸化作用が強く、美肌効果やアンチエイジング効果があるビタミンCは、熱を加えることで壊れてしまうか、水分に溶けて流出することが分かっています。
ビタミンUについても、加熱調理することで、荒れた胃腸でも修復したり再生したりする大切な働きが減少します。
ビタミンUが含まれている野菜って、あまり聞いたことないのではないでしょうか?実は多くの野菜に含まれています。代表的なのはもちろんキャベツですが、他にアスパラガス、パセリ、セロリ、ブロッコリー、レタス、牛乳や卵にも含まれているのです。そしてビタミンUが最も多く含まれているのは「青のり」なのです。
ビタミンK
ビタミンKは脂溶性のビタミンですから、熱に強いので加熱調理しても壊れたり減少したりすることはありません。キャベツの炒めものは効率的にビタミンKを摂ることが出来ます。
カロテン
カロテンは、緑の葉に多く含まれています。カロテンを摂取すると、体内で必要な分だけがビタミンAに変換されます。その他は抗酸化物質として、肌の老化を防ぐ働きをしてくれます。カロテンも脂溶性で油との相性がいいので、炒め物にすることで効率良く吸収できます。
ビタミンUは加熱するとどれくらい減少するのか
キャベツの代表的な栄養素であるビタミンUは加熱調理されるとどのように変化するでしょうか?
ビタミンUは加熱すると、20~30%程度減少すると言われています。野菜に含まれるビタミンUは1時間ほど加熱し続けても7~8割は残っています。結構残っていますね。胃腸の調子がおもわしくない時などは、できるだけビタミンUを摂ったほうがいいので、加熱しないで「生」で食べた方がいいですね。
キャベツを加熱調理することのメリット
キャベツは蒸したり、煮込んだりすることで、容量が減り(といっても、水分が流出してカサが減る)、たくさんの量を食べることができます。また同時に、加熱により細胞膜が壊れることで多くの栄養分を摂取しやすくなります。ロールキャベツなどの煮込み料理の場合は出来るだけ煮汁(スープ)も残さず食べた方がいいですね。
キャベツの栄養素は水溶性・栄養流出に注意
キャベツには豊富なビタミン・ミネラルが含まれていますが、これらの多くは水溶性なので、長時間「水」につけておくことは避けましょう。
特にビタミンC、ビタミンUは水に溶けやすく、切ったキャベツを洗うとかなりの割合で流出してしまいます。水に5分浸けておくとビタミンCは20%も流出してしまいます。
使用する前にさっと洗って、すぐに「生」サラダや揚げ物の付け合わせとして「生」で食べるといいです。
まとめ
参考:乳酸キャベツの健康効果・作り方・食べ方
栄養素豊富なキャベツですが、加熱調理で減少するビタミンもありますが、逆に加熱することで効率よく吸収できる栄養素もあります。
「キャベジン」という製品でなじみがあると思いますが、キャベジンの主たる成分はビタミンUなのです。キャベツのビタミンUは「胃腸の調子を整える」ことで有名です。キャベツは、胃腸の調子が気になるならビタミンUを効率的に摂るために「生」で、カロテンやビタミンKを優先したいなら「加熱」して食べましょう。