ナッツに含まれる栄養素が髪にいいことは、よく知られています。一種類のナッツだけを食べるより、ミックスナッツとして多種類のナッツをいろいろと食べておいた方が髪にとっては好都合なのです。栄養価が偏らず、髪・育毛に良いと言われるビタミンやミネラルの種類も多くバランスよく摂取することができます。
ミックスナッツを食べることで、それぞれの栄養価と、どのように「髪」の成長・育毛に効果があるのかを詳しく紹介します。
目次
髪に必要な栄養素とは?
アミノ酸(良質なたんぱく質)
髪は主にアミノ酸が結合したケラチンという物質でできています。ケラチンは18種類ものアミノ酸で作られているたんぱく質ですが、中でも髪にとって重要な働きをするのがシスチン・メチオニン・ロイシン・アルギニンなどのアミノ酸です。
髪に元気がなくなったり、なんだか髪が細くなってきたように感じるとき、これらの栄養素が不足していることが考えられます。
特にシスチンに含まれるイオウ成分は髪の健康状態を保ち、メチオニンはシスチンを作るためのアミノ酸ですから、この2つのアミノ酸は髪にはとても大切な成分です。
アミノ酸シャンプーのこと
ちょっと話がそれますが、髪にいいシャンプーとしてアミノ酸が多く含まれているアミノ酸シャンプーが多く販売されています。もちろん髪にとってはいいことなのですが、さっと髪を洗ってすぐに流してしまうのに、しっかりとアミノ酸が髪の健康に役立ってくれているかどうかはいささか疑問が残るところです。アミノ酸シャンプーは、結構高価な部類のシャンプーですからその効果は気になっています。またアミノ酸シャンプーは、髪や頭皮にとっては優しい成分なのですが、水で流してもヌルヌルがなかなか取れないところが個人的にNGなんです・・・
髪にとって大切な成分はやはり体の内側からしっかり補給することが大切ではないかと感じます。
ビタミン
ビタミン類のほとんどは体内で作ることができず、食べ物から摂り入れる必要があります。微量であっても細胞や皮膚の状態を健康に保つために欠かせない栄養素です。もちろん頭皮や髪の健康を保つためにも大切で、特に「髪」に欠かかせないのが、ビタミンA、B、Eです。
- ビタミンAは、摂取した食べ物に含まれるベータカロテンが、体内で必要に応じてビタミンンAに変換されることで、その効果を発揮します。体細胞の酸化、つまり細胞の老化を防ぐ働きがあります。
- ビタミンBは、肌荒れや肌の調子が良くない時に不足している可能性があります。細胞の代謝を活発にするため、頭皮に限らず肌を健康に保ち、髪の成長を促すために大切なビタミンです。
- ビタミンEは抗酸化作用が強く、体内の活性酸素の増加を抑える働きをしています。活性酸素が増加するということは、細胞が酸化して錆びつく、つまり老化することです。ビタミンEはアーモンドやかぼちゃ、ウナギなどの多く含まれています。
ミネラル
髪にとって最良のミネラルは「亜鉛」と「ヨウ素」です。
- 亜鉛は髪の原料であるケラチンを生成する時になくてはならない栄養素です。亜鉛不足は抜毛にもつながりますので、不足しないようにしましょう。
ちなみに1日に必要な亜鉛の量は、成人男性で10mg、成人女性で8mgとされています。亜鉛は不足しやすいと言われる栄養素ですが、髪に必要であるからといって過剰摂取しないこともとても大切です。 - ヨウ素は必須ミネラルの一つです。ヨウ素は甲状腺に蓄積され、脂質やたんぱく質の代謝を促し、皮膚(頭皮)や髪、爪を健康な状態に保つ働きをします。特に昆布やわかめ、ひじきなどの海藻類に多く含まれます。
ミックスナッツの健康効果効能と種類
ミックスナッツは、これこれこういうものです、というような定義はありませんが、一般的には多種類のナッツが混ぜ合わさった状態をミックスナッツといっています。
それぞれのナッツには、髪に対する大切な働きをする栄養が豊富に含まれています。
具体的に見ていきましょう。
アーモンド
アーモンドには、頭皮の健康状態を保つための、抗酸化作用の強いビタミンEが豊富に含まれています。アーモンド100g中約30mgのビタミンE含有量です。髪の生成に必要なビタミンB2は、100g中約0.9mg含まれています。
ビタミンEは頭皮だけでなく血行をよくし、血管をしなやかに保つ効果があるため、アンチエイジング効果の高いビタミンなのです。アーモンドには、亜鉛も100g中約4.4mg含まれています。
クルミ
アーモンドに比べると、ビタミンEの含有量は少なく、100g中約3mgです。ビタミンB2はアーモンドの2倍強で、100g中約0.2g。
クルミにはαリノレン酸という脂肪酸が含まれており、脳細胞を活性化し認知症の予防につながることで、最近特に注目されています。
αリノレン酸はオメガ3脂肪酸といわれる脂肪酸の一種で、血液中の脂質を下げてくれるため、血流をよくしてくれます。当然頭皮の血行にも好影響ですね。
参考記事:生くるみの栄養と効果効能
カシューナッツ
カシューナッツは、ナッツ一粒の約40%は、脂質ですから、食べすぎるとカロリーオーバーにつながります。カシューナッツの栄養で最も注目すべきは亜鉛の含有量です。亜鉛が多く含まるといわれているアーモンドやピーナッツよりも多く、100g中約5.4mgの亜鉛が含まれています。
ビタミンB1も多く、クルミの約2倍の量を含んでいます。
また、カシューナッツには髪の健康を保つための「銅」も多く含まれています。
因みに、ナッツではありませんが、ローストしたかぼちゃの種には、100g中約7.7mgもの亜鉛が含まれています。
ピーナッツ
ピーナッツは、髪の生成に必要な良質なたんぱく質が約25%も含まれています。さらに、たんぱく質の代謝を促すビタミンB6、ケラチンを生成するために必要不可欠な亜鉛も含んでいます。
ピーナッツについている茶色い薄皮がありますね、これ、あまり食べないと思いますが、この薄皮にはポリフェノールが含まれていて、抗酸化物質として働き、血行を促進してくれます。育毛にも大いに貢献してくれる成分です。ちょっと苦いですが、食べておいた方がよさそうですよ。
ピスタチオ
ピスタチオの栄養価は非常に高く、ビタミンB1、B2、E、K、鉄分、葉酸、亜鉛、アミノ酸、不飽和脂肪酸などをバランスよく含んでいます。ケラチンの生成を促して髪の成長を速くする亜鉛も豊富に含まれています。ただし、ピスタチオは100g中約30gもの糖質を含んでいるため食べすぎには注意が必要です。
マカダミアナッツ
上記で紹介したナッツ類と同じく、マカダミアナッツには多くののビタミンミネラルが含まれ、髪を作るための必須アミノ酸をすべて含んでいる優れものです。
さらに注目すべきはマカダミアナッツの「パルミトレイン酸」と「オレイン酸」です。
「パルミトレイン酸」は、一価不飽和脂肪酸といわれ、頭皮(皮膚)の老化を防ぎ、健康な状態を保つ働きをしてくれます。「オレイン酸」は髪や頭皮の乾燥を防ぎ、適度な潤いを与えてくれます。
ジャイアントコーン
髪に良い、ビタミンE、ビタミンB群、葉酸、などをバランスよく含み、髪の生成に必要な亜鉛は、ジャイアントコーン100g中約1.9mg、銅は0.08mg含んでいます。
おつまみに欠かせない、私も大好きなジャイアントコーンですが、糖分が約90%もあり、カロリーも高いのでほどほどに。
まとめ
参考:「ナッツ油の効果効能|ナッツの種類と体にいい食べ方」
髪に良い成分が多く含まれているナッツ類ですが、ナッツには含まれない髪の成長に欠かせない成分もありますので、やはりバランスのとれた食生活が基本です。ナッツ類は「髪に必要な栄養素が豊富である」という知識があればいいのではないでしょうか。髪を作るためにナッツばかりを食べる人もいないでしょうから。