トランス脂肪酸という名前は聞いたことがありますか?
特別危険を感じるような名前ではありませんよね。
しかしこのトランス脂肪酸が体内に入ることは、出来るだけ避けなければならないという報告があります。なぜなら「成分がほぼプラスチックと同じ」だからです。
アメリカでは食品医薬品局によって、食品がトランス脂肪酸量をどれくらい含んでいるかを表示することが義務付けられていますが、日本では、この規制がほとんどされていないのです。
いったいどういうことなのか、状況だけでも知っておいて損はありません。
目次
トランス脂肪酸って何ですか?
トランス脂肪酸とは、不飽和脂肪酸と言われる油脂の一種なのですが、自然の状態の植物油の中にはほとんど含まれることが無く、とても人工的な油なのです。
化学的に言うと、ちょっと難しいので簡単に説明します。
精製の過程で、分子構造が自然物からは得られないような不飽和脂肪酸に変化(=トランス)してしまうのです。
このように工業的に作り出された出来たトランス脂肪酸を摂取し続けると、人体に悪影響を与えるようになってしまいます。
プラスチックを食べているのと同じ!
トランス脂肪酸は食べるプラスチックともいわれており、いったん体内に入るとなかなか排出されず体内に蓄積されます。
身体に入ったトランス脂肪酸は、悪玉コレステロールを増やすどころか、善玉コレステロールを減らしてしまいます。これ以外にも懸念される多数の疾病を誘発するといわれています。
アメリカと日本の対応
アメリカでは、厳しい規制がかけられているため、トランス脂肪酸を使用している食品を使わないように指導されており、使用する場合でも必ずその含有量を表示しなければならないことになっているのです。
ちなみに、コレ、2003年から2006年頃のことです。
ところが、食品の審査に厳しいといわれている日本ではこのトランス脂肪酸に対しては厳しい規制がない状態なのです。
まあ、言ってしまえば使い放題なのです。消費者が自分で管理するしかないんですよ!
人体へのリスクは?
トランス脂肪酸という名前からは、脂肪の一種だからちょっと気を付けていればいいか、位に思ってしまうでしょう。
しかし、ほぼ人工的に作り出されたトランス脂肪酸を摂り続けると、コレステロール以外にも、脂質異常を招き、血圧にも影響します。
トランス脂肪酸は自然物ではなく工業的に作られてるために、非常に排泄しにくいことが最も困るところです。
朝食のパンにつけるバターやマーガリンが危ない
バターやマーガリンに気を付ける!
朝食に、バターやマーガリンを塗ったトーストと目玉焼きという方も多いのではないでしょうか?なんの問題もなくいたって健康的な食事に見えますね。
しかし、このバターやマーガリンはにも微量ではありますが、しっかりとトランス脂肪酸が含まれています。
少量を食べるならまだしも、毎日多量のバターやマーガリンをパンにつけて食べている方は注意したほうがいいでしょう。
実はその「パン」にもトランス脂肪酸が含まれています。
例えば、食パン。
食パンを買う時に、裏面の食品表示をご覧になったことがありますか?
ほとんどありませんよね。普通は「今日の特価」と「賞味期限」をチェックして適当に選んでささっと買い物かごに入れます。
しかし裏面の食品表示見ると、ほとんどの食パンには原料の一部として、マーガリンやバターと記されています。つまりトランス脂肪酸が含まれていることを示しています。
原料としてファットスプレッドと書かれているものもありますが、このファットスプレッドにもトランス脂肪酸・・・なのです。
クッキーやパイなどサクサク系のお菓子も注意して!
子供のお菓子やスイーツはあんしん安全なのか?
残念です!安全ではありません。
お菓子やスイーツには、ショートニングという何とも危険そうではないネーミングでトランス脂肪酸が含まれています。
ショートニングはお菓子作りには定番の素材で、お菓子やケーキ、クッキーなどのサクサク感を出すには欠かせない材料になっています。
ドーナツや菓子パンにもショートニングが使われています。
ファストフードにも・・・
もちろんファストフードにもたっぷりトランス脂肪酸を含んだ油が使用されています。
しかし日本では、主体的にトランス脂肪酸を規制して使用しないようにしている企業があります。その企業とは、ロッテリアやミスタードーナツ、モスバーガー、ウェンディーズなどです。
とはいうものの、これらの企業が全くトランス脂肪酸を使っていないというわけでもないのですが、ただ、使用するにしても非常に少ない容量になるように気を配っているようです。
たまには、ファストフードいきたいですし、私自身全くこれらの食品を食べないようにしようなんて思いませんが、注意しようという意識になっていることだけでもいいかなとは思います。
トランス脂肪酸を多く含む食品
どのような食品に注意が必要か、トランス脂肪酸を多く含む食品を挙げておきますので参考にして下さい。
ショートニング、マーガリン、クリーム類、バター、ビスケット、食用調合油、ラード、マヨネーズ、チーズ、ケーキ、スナック菓子、食パンなどです。トランス脂肪酸が多い順です。
これ、全部食べないわけにはいかないですよ。
全部排除するなんて無理です。
あまり神経質になるより、どのような食品に含まれているかを知って、その摂取量に気を付けるくらいしかないでしょうね。
まとめ
トランス脂肪酸の参考記事:菓子パンは体に悪いのか?菓子パンの危険な添加物の正体は?
絶対にトランス脂肪酸を摂らないようにすることは非常に難しいと思います。
スーパーで食品をかごに入れる前に、全部チェックしてはいられませんしね。しかし、トランス脂肪酸を多く含む食品だけでも知っていれば、少しは対策出来るはずです。
何でもそうですが、多少摂取してしまうのは仕方がないですよね。身体にいいと言われているものでも、摂り過ぎは逆効果になる場合もあります。
出来るだけトランス脂肪酸を摂取しないようにはしたいものです。