「インカインチオイル」なんてほとんどの人は聞いたこともないのではないでしょうか?
これ、もちろん食用の油なのですが、ビタミンEやαリノレン酸を多く含むために「飲む美容液」と言われていて、とても人気のあるオイルなのです。
アンチエイジング効果もあるようです。だからといって、油をがぶがぶ飲むわけにはいきません・・・。どのように摂取すると体や健康のためになるのか、どんな効果が期待できるのかを具体的に説明します。ぜひ参考にして下さい。
目次
インカインチオイルとはどんなオイルなのか
インカインチオイルは、別名でサチャインチオイルとか、グリーンナッツオイルとも呼ばれ、南米ペルーが原産のインカインチの木の実の「種」を搾ったオイルのことです。
「実」の形は六角形や五角形の星型をしていて、直径は4~5センチくらいです。
健康や美肌作りにも良いとされる、アルファリノレン酸(αリノレン酸)を非常に多く含み、さらにビタミンEの含有率も高く、100g中200mgもあります。
ビタミンEは、体の老化を防止する抗酸化力が強いため、美肌には欠かせないビタミンです。
その他にもリノレン酸やオレイン酸という良質な脂肪酸もバランスよく含まれています。
αリノレン酸(オメガ3)の効果は?
αリノレン酸は必須脂肪酸であり、体内では生産することが出来ず、食品から摂取する必要があります。
αリノレン酸は体内に取り込まれると、DHAやEPAに変化し、血液をサラサラにする効果を発揮します。DHA(ドコサヘキサエンサン)やEPA(エイコサペンタエンサン)は魚に含まれている油としてよく知られていますね。
サプリメントろとしてもサントリーのDHA+EPA+ビタミンEという製品があります。
「オメガ3」にも詳しく書いていますのでぜひご参照ください。
参考:「DHA・EPAの効果効能」、「生くるみの栄養と効果効能」
αリノレン酸は酸化しやすい
健康にとっては非常に良い油なのですが、とても酸化しやすいので保存や使用方法に注意する必要があります。
えごま油や亜麻仁油をもαリノレン酸を多く含むのですが、加熱調理には向いておらず、サラダにかけたり、味噌汁にいれるなどして加熱しない「生」の状態で摂取しなければなりません。フライパンなどで加熱調理に使うと酸化が進んでしまい、健康に良いどころか逆効果になってしまいます。
ところがインカインチオイルは、αリノレン酸が約50%もふくまれているにも関わらず、抗酸化物質であるビタミンEが多量に含まれているため、加熱調理に使うこともできます。と言っても、高温になる揚げ物はやはり避けたほうがいいです。軽く炒めたり焼いたりする程度なら良いのですが、せっかくの良質なαリノレン酸ですから、「生」で摂ったほうがいいですよ。
保存は15℃以下で常温保存か、冷蔵庫で保存します。光が当たるだけでも酸化しますので、冷暗所保存が基本です。
αリノレン酸が含まれる食品で人気が高い「えごま油」 「亜麻仁油」もぜひあわせてお読みいただければと思います。
ビタミンEの効用
- アンチエイジング
強い抗酸化作用でおなじみのビタミンEは、アンチエイジング(老化防止)に効果があるビタミンです。
体が老化するというのは、いわゆる体の細胞が錆つく=酸化する状態で、体内に過酸化脂質が増えていくとうことなのです。ビタミンEはこの過酸化脂質の生成や、血液中のコレステロールの酸化さえも防ぐ働きをしてくれます。 - 血流改善効果
抹消の血管を広げる作用があるため、血行をよくすることによって、肩こりや、冷え性の改善も期待できます。 - ホルモンバランスの調整
男性ホルモンや女性ホルモンの分泌を促進します。女性の場合は不妊治療にも必要なビタミンとしても用いられているようです。
インカインチオイルの効果
- 悪玉コレステロールを抑え、アレルギー疾患を防ぐ
- 中性脂肪を低下させる
- 高脂血症や高血圧を予防する
- 血液をサラサラにして、心筋梗塞や生活習慣病を予防する
美容とダイエット!
インカインチオイルに含まれる抗酸化物質の働きにより血行が良くなり代謝の改善にもつながり、脂肪をためにくくしてくれます。非常に多く含まれているビタミンEによる美肌づくりも見逃せません。
ニキビや乾燥肌が気になる方にも、その改善効果が期待できます。
外用薬もいいのですが、体の内側から体質改善するにインカインチオイルを摂取してみるのはいいと思います。
体の中からアンチエイジング
ビタミンEに含まれるトコフェロールは、肌荒れの原因となる過酸化脂質が増加するのを防ぎます。
ビタミンEは強い抗酸化作用があり、細胞膜の脂質の部分に溶け込むことができるため、肌の改善はもちろん、体の中の細胞の酸化も防いで、細胞膜を守ってくれます。
でも、体には60兆個もの細胞があるのですから、一度に全部の細胞にビタミンEをゆきわたらせようとするのは無理があります。だから、日常的に少しでも良い脂質やビタミンEを摂取するよう心がけることなのですね。
αリノレン酸(オメガ3)の働きに注目
αリノレン酸(オメガ3)の働きについては、「オメガ3系食品の健康効果」も合わせてお読みいただけるとよりお分かり頂けると思います。
αリノレン酸は、血行を良くする働きがあるため、動脈硬化や高脂血症を防ぐことにもなり、荒れた肌の状態を整えて美肌に導きます。
また、脳の神経機能の働きを良くすることも認められてきています。テレビ番組で、αリノレン酸が含まれるオイルとして「えごま油」や「亜麻仁油」が認知症予防にもいいのではないかと、よく取り上げられているのもこのような理由からではないかと思います。
インカインチオイルの選び方と食べ方
インカインチオイルの選び方
油の搾り方ってあまり知られていないと思うのですが、コールドプレスという方法で搾ったオイル製品を選んで下さい。コールドプレスとは直訳すると、「冷たい+圧搾」です。つまり加熱処理をしないで、木の実そのままを圧縮して搾る方法です。
圧搾の過程で熱を加えると、せっかくの抗酸化物質の効力が半減してしまいます。製品のラベルに「コールドプレス」と表記されていることを確かめて選んで下さい。「無農薬」の表記も忘れずにチェックして下さい。
食べ方は「生」がおすすめ!
アルファリノレン酸の効果を出来るだけ多く摂取するには、「生」で食べることが一番です。トマトジュースに大さじ一杯程度を入れて、よく混ぜて飲むのはとてもお手軽で毎日続けられると思います。サラダに少量の自然塩をかけてドレッシングとして、トーストしたパンやバケットにそのままつけて食べるのもおすすめです。
まとめ
参考:えごま油 亜麻仁油 オリーブオイル サラダ油が体に悪い理由 こめ油 ココナッツオイル
食事からしか摂取することが出来ない、必須脂肪酸であるαリノレン酸や、抗酸化物資としてのビタミンEを多く含むのが「インカインチオイル」です。
一日大さじ一杯程度を毎日摂取することで、アンチエイジングや脂肪の代謝にも効果があるならぜひ毎日取り入れたい食材です。
熱を加えると「抗酸化物質」の効果が半減しますから、食べる時は「生」がお勧めです。ほとんどの自然食品店にあると思いますので、ぜひチェックしてみてくださいね。