抜け毛や白髪など髪の健康を考えている方なら、一度は「ビオチン」という名前を聞いたことがああると思います。ビオチンは髪を作っている髪の素となる栄養素の一つで、これが欠乏すると、抜け毛や白髪に影響が出るとされています。髪だけでなく肌の健康状態にも影響がある成分ですから、女性にとっては欠かせない栄養成分です。
ビオチンが髪に良いとはいうものの、抜け毛や白髪の改善のために、どのように摂取するのがいいのかわからない方も多いと思います。ビオチンが多く含まれる食べ物や、ビオチンの効果的な飲み方、摂取量についても詳しく紹介しますのでぜひ参考にしてみてください。
目次
ビオチンの抜け毛予防効果と白髪改善効果
ビオチンは体にどのような働きをするの?
髪の毛の主成分はたんぱく質の一種であるケラチンという成分でできています。ケラチンが髪として生成されるためにはコラーゲンが必要なのですが、このコラーゲンの合成を助けるのがビオチンの主な働きです。
爪もケラチンで作られていますので、もちろんビオチンはここでもコラーゲンを生成する補助の役割をします。補助と言っても、ビオチンはコラーゲンを生成するためになくてはならない成分ですから、とても大切な栄養素なのです。
ビオチンはビタミンB7
あまり聞いたことないと思いますが、ビオチンはビタミンB7またはビタミンHとも呼ばれています。糖質・脂質・たんぱく質という三大栄養素の代謝に大きく関係しています。肌・皮膚の健康状態や、髪の毛の健康を保つためにも欠かせない栄養素なのですが、ビオチン不足は抜け毛や、白髪だけでなく、肌荒れ、皮膚炎の原因にもなりますから、不足しないように注意しなければなりません。
抜け毛予防効果と白髪改善効果
ビオチンは、髪を作るアミノ酸の代謝に大きく関わっています。また、肌・皮膚の状態を健康に保つためにも欠かせない栄養素です。
ビオチンが体内に不足してくると、髪や、爪、皮膚を正常に生成することが難しくなります。そのため、抜け毛や白髪、肌荒れなどの状態となって表れてくるのです。皮膚を健康に保つことが必要なのは、頭皮の健康状態にももちろん関わってきますので、ビオチン不足は頭皮や髪への影響が大きくなるのです。
ビオチンが不足していれば、それは抜け毛や白髪の原因の一つではありますので、もちろん意識的に摂取することで改善できる場合も大いにあると考えられます。しかし、抜け毛や白髪の原因には様々な要因が考えられますので「ビオチンさえ」摂取すればよいということではなく、必要な成分としてビオチンは欠かせない栄養素であるということなのです。
効果的な飲み方と摂取量
ビオチンの効果的な摂取の仕方
ビオチンを吸収しやすくするためには、亜鉛と一緒に摂取することです。亜鉛は、下記で紹介するビオチンを含む食べ物にも含まれています。卵黄や、鶏や豚のレバー、納豆、アーモンドなどは、ビオチンと亜鉛を一緒に摂ることができますので一石二鳥ともいえる食材です。
何でもそうですが、この食材が「○○」改善に有効であるからと言って、それだけを大量に摂取することはNGだと言えるでしょう。ビオチンの場合は、過剰摂取しても余剰分が排出されるとはいえ、ビオチンさえ摂取していれば抜け毛や白髪が改善されるというものではありません。髪の健康を保つためには様々な栄養素や頭皮の状態、血流の状態などが影響します。あくまでも髪の健康を保つにはビオチン不足にならないように気をつけることなのです。
ビオチンの適切な摂取量は?
ビオチンの最適な摂取量とされているのは、成人男性・成人女性ともに1日に50μgです。
ビオチンは多くの食材に含まれているため、あまり好き嫌いがなければ、ビオチンの不足をそれほど心配することはないでしょう。下記の「ビオチンを多く含む食べ物」を参考にしてみてください。
ビオチンの過剰摂取
ビオチンは水溶性のビタミンであるため、摂りすぎることがあっても、余剰な分は尿として排泄されてしまいますので、体にとって安全な栄養素であると言われています。ただ、気をつけなければならないのはビオチンの欠乏ですから、後述の「ビオチンの吸収を妨げる食べ物」には注意しておきましょう。
ビオチンを多く含む食材
ビオチンを多く含む食べ物
ビオチンは、鶏肉や、ナッツ類、納豆、卵黄にも含まれていますので、これらの食べ物が不足していると感じるなら、ビオチンを含む食材として意識的に食べるようにしましょう。
下記は100gあたりのビオチン含有量です。例えば、アーモンドだけでビオチンの必要量を補おうとするなら、相当な量を食べなければなりません。ですから、いろいろな食材をバランスよく食べることが大切になってくるのです。
ビオチンの含有量(100gあたり)
- 鶏レバー:232μg(マイクログラム)
- バターピーナッツ:96μg
- 卵黄:65μg
- アーモンド:62μg
- 焼き海苔:47μg
- 納豆:18μg
- 干しひじき:16μg
ビオチンの吸収を妨げる食べ物に注意
生卵の卵白
ビオチンは、多くの種類の食べ物に含まれていますので、食事から吸収できるだけではなく、体内でも、腸内細菌によって作られるため、通常の食生活をしていれば、特にビオチンの欠乏を気にすることはありません。
しかし、生卵、特に白身(卵白)の部分を食べる場合、はビオチンの吸収を阻害する可能性が大きくなります。卵白にはアビジンという「糖たんぱく質」が含まれているのですが、この物質がビオチンの吸収を阻害する可能性があるのです。
とはいっても、ビオチンの吸収が妨げられるのは、相当な量の卵白を食べたときだけですから、普通の生活で食べる量の卵白なら心配いらないレベルだと思います。ちなみに、ビオチンの吸収が妨げられるのは、1日に10個以上の卵白を数日にわたって食べ続けた場合に限られるようです。まあ、誰もそんな食べ方しないでしょうから、ほぼ気にすることはないと思います。
キムチ・ヨーグルトなどの乳製品
キムチやヨーグルトがビオチンの吸収を妨げる原因になっているのは意外ではありませんか。キムチに含まれるカプサイシンの刺激がビオチンの吸収を阻害するのです。
ヨーグルトは体に良いイメージが強いと思いますが、なんと乳酸菌の一種である「フェカリス菌」が、ビオチンを消費することで増殖することがわかっているようです。
コーヒー
コーヒーに含まれるカフェインがビオチンを消耗させてしまいます。カフェインはビオチンだけでなく、髪に必要な栄養素である亜鉛も消耗させてしまうのです。日頃から多くコーヒーを飲んでいる自覚があるなら、ビオチン吸収のためにはちょっと控えた方がいいかもしれません。
ビオチンは大切な栄養素だけど・・・
参考:アーモンドの栄養素(ビオチンと亜鉛が含まれています)
参考記事:「白髪対策に効果があるツボはココ!頭と手のツボを図解!」
抜け毛や白髪の改善にビオチンだけを摂取していればこれで良し!というのならだれも苦労はしないんですよね。体の調子は、本当に様々な要因が絡んでいますので、栄養バランスや、運動、体のヒズミ(骨格のゆがみ)なども影響していることが考えられます。
ただ、ビオチンは髪の健康を保つためには不足にならないように気をつけると同時に栄養バランスを考慮し、積極的に運動も取り入れることが大切ですね。