パイナップルの栄養なんてビタミンCをはじめとする数種ビタミンがあるだけだと思っていませんか?パイナップルに含まれる分解酵素が消化を助けたり、疲労回復や夏バテ、美容にも効果があるのです。
パイナップルは、見た目が「松かさ」に似ていることから「パイン」、味はりんご「アップル」に似ていることから「パイナップル」と名付けられたといわれています。パイナップルの栄養効果効能や酵素の効果を具体的に解説します。意外な健康フルーツですよ!
目次
パイナップルの栄養と効能
ビタミンB1・パントテン酸
体内の糖質や脂質をエネルギーに変換する際に、重要な働きをするのがビタミンB1です。新陳代謝を良くして、疲労回復や夏バテ予防にも効果があります。
参考:「体の疲れを取る食べ物」「夏バテに効く食べ物」
消化酵素ブロメライン(ブロメリン)
ブロメラインはたんぱく質の消化酵素で、肉を柔らかくして消化吸収を助ける働きがあります。また、腸内の腐敗物を分解する働きがありますので、下痢や消化不良の防止にも役立ちます。
ただし未熟なパイナップルは、逆に消化不良を起こしたり、肌荒れの原因にもなりますから注意しましょう。
ブロメラインは熱に弱いので、50℃以上の熱を加えるとその効果が失われてしまいます。豚肉のパイナップルソテーという調理方法もありますが、その場合は消化酵素の働きよりも味を楽しむということですね。
参考:キウイの消化酵素
お肉が柔らかくなる「粉」が販売されています
パイナップルに含まれている酵素と同じ成分が入った、調理用の「お肉が柔らかくなる粉」として販売されています。
味の素の製品で「お肉やわらかの素」。お肉にこの粉をまぶして5~10分ほどおいて、好みの調理をするだけです。私も買ってみましたが、たしかにお肉は柔らかくなるのですが、塩分が多すぎと感じます。お肉100gに対して2.5gの粉を使うのですが、その2.5g中「食塩相当量」がなんと0.93gもあるのです。
「お肉やわらかの素」の37.2%は「塩」なのです。気をつけないと塩分摂り過ぎになります。価格は50gで約250円。・・・ご参考までに。
クエン酸
パイナップルの酸味の元はクエン酸です。クエン酸は胃液の分泌を促進して、消化酵素ブロメラインとともに消化吸収を助け、胃腸を健康な状態に保ちます。疲労回復、スタミナ維持、美肌作りにも欠かせない成分です。
参考:缶詰
缶詰のパイナップルは、すでに熱処理をして作られていますから、消化酵素の働きは期待できません。
参考:ドライフルーツとしてのパイナップル
果物は生の状態では、そのほとんど、約80%以上が水分なのです。そのためドライフルーツは水分を抜いて栄養分が凝縮されているという特徴があります。少しの量でも果実の栄養がしっかり摂れるのでおススメですが、ビタミンCに関しては「生」の方が多く含まれていることも知っておいて下さい。
パイナップルと食べ合わせが良い食べ物
パイナップルと豚肉
「酢豚にパイナップル」。これ、好き嫌いが分かれますよね。まあ、味はともかくとして、肉の臭みを消して、パイナップルの消化酵素によって肉の消化・栄養吸収が効率良く行われます。
ハンバーグやステーキ、ポークソテーにパイナップルが添えられていることがありますが、栄養的な食べ合わせとしてはとても良いのです。
- キウイフルーツ・パセリ・パプリカ・いちご:豊富なビタミンCとビタミンB群の相乗効果で疲労回復や、抗酸化作用による美肌効果あり。
- カシューナッツ・ごま・そば:血管を若返らせ、血行促進効果があります。そばのカリウムによる高血圧予防、ナッツやごまの脂質(アルファリノレン酸)によって健脳効果が期待できます。
- アボカド・みつば・バナナ:免疫力アップ、美肌効果、貧血予防。
- 大根・山芋・みつば:大根の消化酵素が加わって胃腸の働きを強化し、ビタミンEの抗酸化作用による美肌効果や老化防止効果。
参考:アボカド・パセリ・パプリカ・キウイ・ごま・そば・バナナ・ナッツ
パイナップルの保存方法とおいしい食べごろ
カットしていない、まるごとのパイナップルは、ビニール袋に入れて、密閉せず、冷蔵庫の野菜室で保存しますが。2~3日のうちに食べるようにしましょう。
カットしたパイナップルは保存方法は同じでビニール袋に入れて、翌日までには食べきって下さい。
甘みを出すための方法
パイナップルは、甘みが均等にあるわけではないのです。パイナップル上部の葉に近い部分は甘みが弱く、下の方ほど甘みが強いのです。
パイナップルをまるごと1個買ってきたら、葉を下にして常温で置いておくことで、甘みが全体に回ってきますからぜひ試してみてください。広口ビンに逆さまに入れておくといいですね。
パイナップルの食べごろ
前項で逆さにしておくことを書きましたが、これは甘みを回すためで、熟すのを待つという意味ではありません。パイナップルは売られている時点ですでに食べごろとなっていて、何日か保存することでさらに熟してくるということはありません。
下膨れの形で、実や葉にツヤやハリがあって、黄色みを帯びているもの、ずっしりと重みがあり、お尻の辺りから甘い香りが強いものを選ぶようにしましょう。
まとめ
参考「筋トレに効くパイナップル効果!効率的に筋肉が増える秘訣とは」
パイナップルと食事を巧く組み合わせることで、消化吸収を良くするだけでなく、美肌作りやアンチエイジング効果があります。
料理にうまく合わせることももちろんいいのですが、食後に、デザート的に少量のパイナップル(缶詰ではないもの)を食べておくことでも健康効果は確実にアップしますねよ。