リンゴには健康に対する多くの効能があるため、健康維持の果物としてまずその名前があげられます。だからと言って、毎日りんごを食べ続ければ健康になっていく、もしくは健康維持できるというものではありません。
具体的な効能や、摂取方法などをご紹介します。
目次
栄養価の高い果物
イギリスのウェールズ地方に古くから伝わることわざに、「1日1個のリンゴは医者を遠ざける」という言葉があり、リンゴには多くの栄養素が含まれていることが知られています。
ちなみに英語では、「An apple a day keeps the doctor away.」です。
日本でも「1日1個のリンゴで医者いらず」とよく言われていますね。
カリウム、ビタミンC、食物繊維、ミネラル類が多く含まれており、健康に対する効能があると認められています。
「カリウム」の体内の余分な塩分を排出する働きは見逃せない効能であるといえます。
リンゴに含まれるペクチンの働き
りんごを食べることで健康効果があると言われているのは、ほとんどペクチンのおかげだと言っても過言ではありません。
ペクチンという言葉は聞いたことがある方も多いと思いますが、腸内環境を整えてくれる栄養素です。具体的なペクチンの働きを知っておきましょう。
ペクチンとは
ペクチンは、食物繊維の一種で、水溶性と不溶性があり、りんごや柑橘類に多く含まれている成分です。りんごのペクチンは植物性の水溶性食物繊維なのです。
また、リンゴのペクチンは「皮」に多く含まれていることも大切なポイントです。
加工食品の粘度をアップさせるためにもよく利用されています。ジャムの裏書の成分表記にも「ペクチン」と書かれていることがありますね。
ペクチンはコレステロール値を下げたり、便秘解消や、下痢の場合には整腸作用があるとされています。
ペクチンの効果
ペクチンの主な働きは、コレステロール値を下げることにあります。
単にコレステロール値を下げるだけでなく、>悪玉コレステロール(LDL)を減少させて、善玉コレステロール(HDL)を増加させる働きがあることが認められています。
コレステロール値が下がることによって、高血圧や動脈硬化の予防も期待できます。さらには心臓病や脳卒中の予防にもつながります。
中年でおなかが少し出てきたメタボのお父さんには、ペクチンの働きに注目してほしいところです。
まぁ、メタボのおじさんたちは、健康のためだと言ってなかなかりんごを食べたりしないでしょうね。りんごを食べるより飲みに行くでしょう。「りんご」じゃ、ストレス解消にはなりませんから。
ほかにも様々な効果効能がありますので、すこし詳しくみていきましょう。
コレステロールを下げる
上記に書いたコレステロール値を下げる効果は、肝臓で生産される胆汁酸や、体内に取り入れた食物に含まれるコレステロールが体に吸収されていくことを防ぐ力がペクチンにあるのです。
ペクチンは小腸で吸収されてしまうことなく大腸に届くため、腸内にある乳酸菌を増やしてくれるのです。
便秘や下痢の整腸作用
ペクチンの整腸作用は、腸内にすでに住み着いているビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌を増殖してれることにあります。それと同時に、有害物質を排出する働きもあります。
便秘の方は、長年の便秘のために腸内環境が悪くなっていることも考えられますし、少しの期間便秘が続いてしまったために腸内環境が悪化している場合もあります。
ペクチンの整腸作用に伴って、特にりんごのペクチンは便の量を増やすので腸のぜんどう運動が促進されて、便意につながるのです。このような効果がわかっているのですから、特に便秘が気になっている方はりんごを積極的に食べていただきたい果物ですね。
高血圧の予防
りんごを食べると、血圧が下がって、コレステロール値も減少するため、脳卒中や心臓病の予防になることが大いに期待できるのです。
これは、ペクチンが悪玉・善玉のコレステロール値をちょうどよい状態に調整し、有害物質を排泄する働きがあるからなのですが、りんごに含まれているカリウムが体内の過剰な塩分を排出してくれることも大きな要因だといえます。
ペクチンの含有量が多い食品
ペクチンは、みかんやオレンジなどの柑橘類にも含まれています。そのほかイチゴや桃、柿にも含まれています。
なんとなくですが、感覚的にはちょっとべたっとした感触のある果物の果汁に含まれている感じですね。
りんごの栄養は皮!|効果的な摂取方法
ペクチンは皮にある
ペクチンの効果効能を期待するなら、ぜひ皮ごと食べるようにしましょう。
りんごのペクチンは、りんごの実の部分よりも、「りんごの皮」に多く含まれているのです。前項で書いたように、かんきつ類や多くの果物にもペクチンは含まれているのですが、やはりりんごとおなじようにペクチンは皮の部分に多く存在しています。
しかしこれらの柑橘類に関しては皮のまま食べるということはほとんどありませんよね。
ですから、そのため皮まで食べられる食品としてはりんごが最適なのです。
皮のままたべるのはちょっと嫌だという方もいると思います。しかし、皮ごと加熱して調理したり、すりおろして食べてもいいのです。このような方法で摂取してもペクチンの成分はしっかり摂り入れることができるのです。
ビタミンを摂取したい場合は生食がいい
リンゴにはビタミンCやビタミンB、Aなども含まれているのですが、これらのビタミン類は加熱するとその効果が失われてしまいますので注意が必要です。
生食は農薬が心配ですか?
確かに気になるところではありますね。
日本で生産されているりんごに関しては、厚生労働省の厳しい基準があります。
農薬を使用している場合ても、人が摂取しても全く害のない状態にまで、その基準値が下がった状態で市場に出回ります。
もちろん、これは、農家が基準を守っている場合ですから100%絶対残留農薬がないとは言い切れないとは思います。ですから、気になる方は、信頼のできる農協や販売店などで購入するといいと思います。
デパートやスーパーでも、どのような生産者が生産した商品であるかをきちんと表示していることも多くなってきています。
農薬を気にする場合、外国産の果物ジュースなどは敬遠してしまうのではないでしょうか?日本産のものであればひとまず心配はいらないとは思います。
赤りんごと青りんご(王林など)の栄養は同じか?
ほとんど栄養成分に違いはありませんが、その量が若干違うようです。
青りんごは赤りんごよりも脂肪燃焼を促進する働きが強く、青リンゴは脂肪が体内に蓄積することを抑制するプロシアニジンという成分をより多く含んでいます。
赤りんごにもプロシアニジンという成分は含まれているのですが、実が成熟していく過程で、アントシアニンに変化します。
参考:アントシアニンは、ブルーベリーなどに含まれる青紫色・赤系の色素として知られていますね。
まとめ
主にペクチンの効能が顕著であるりんごの栄養は皮にこそ多く含まれていますので、健康のためにりんごを摂るなら、丸ごと皮ごと食べることが望ましいです。
りんごの色による栄養価の違いが少しはありますので、使い分けることもいいですね。
ただ、多くのビタミンを失わないためにも「生」で食べることが望ましいです。