テレビの健康番組で、「ココナッツオイル」の特集をしたこと、そして同時期にモデルのミランダ・カーさんが美容のために「ココナッツオイル」を使用していることがわかって、一気に人気が爆発しました。

ココナッツオイルの美容効果と健康効果が非常に優れていることが紹介されて、ネットショップはたちまち売り切れ状態。予約も取れないほどでした。そしてほどなく、このブームを知ったスーパーマーケット業界も、定番として「ココナッツオイル」を常時お店に置くようになったようです。ココナッツオイルに関する書籍もかなりの数出版されていますね。

ココナッツオイルにどれほどの効能があるのか、その摂取量や摂取方法も気になるところです。具体的に紹介しますので参考にしていただければと思います。

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ココナッツオイルが健康にいい理由

飽和脂肪酸

ココナッツオイルに含まれる脂肪酸は、飽和脂肪酸と呼ばれる油です。

飽和脂肪酸はを摂取しすぎると、血中コレステロールや中性脂肪が増え、動脈硬化にもつながってしまいます。飽和脂肪酸は一般的には、バターや、肉、乳製品に多く含まれています。これらの脂肪酸は溶ける温度は高いのですが、常温ではすぐに固まりの状態になります。

わかりやすく言うとですね・・・動物は人間に比べると体温が高いため、動物の体内にこれらの脂肪酸があってもその脂肪酸は溶けた状態で存在しています。しかし、動物の体温より低い人間の体内にこれらの脂肪酸が入ってしまうと、非常に固まりやすくなってしまうのです。

血液の粘度が高まってドロドロ血を招くのです。

ちなみに、鳥や魚は人間より体温が低いため、その脂肪酸は人間の体のなかで固まりません。魚のDHAやEPAが血液をサラサラにしてくれるのもこのことが原因の一つだといえます。

中鎖脂肪酸

しかしココナッツオイルに含まれる飽和脂肪酸は、ちょっとワケが違うのです。

飽和脂肪酸は、「長鎖脂肪酸」と「中鎖脂肪酸」に分類されるのですが、ココナッツオイルの脂肪酸は中鎖脂肪酸に当たります。
では、この「長鎖脂肪酸」と「中鎖脂肪酸」とは何であるのか簡単に説明します。

  • 長鎖脂肪酸
    身体に取り込まれると体内をゆっくりと巡りながら、必要分だけ脂肪が分解されて、余った脂肪は体にたまっていくのです。体脂肪がつきやすく太りやすくなるということですね。
  • 中鎖脂肪酸
    一方、中鎖脂肪酸は体の中に入るや、直接肝臓に運ばれて素早く吸収され、すぐにエネルギーとして変換されます。体内には溜まりにくい性質があるのです。
    ココナッツオイルの脂肪酸は、体内に蓄積されず、健康効果が高いため注目されているのです。

ココナッツオイルの効果効能

便秘改善

小腸にある細かいヒダヒダがありますよね、アニメのムーミンの「にょろにょろ」のような形をしているのですが(ちょっと例えが古すぎるかも・・・)、これを絨毛(じゅうもう)と言います。

ココナッツオイルは、絨毛に吸着してしまったこの食品添加物などの汚れをきれいに掃除してくれるのです。このため余分な物質が腸内に残らず、腸で吸収されなかった食物のカス(便)はオイルの潤滑油的な働きでスルッと押し流してくれます。

便秘が解消されると、肌荒れやくすみが解消され、体の内側から肌の状態が良くなってきますね。デトックス効果がある上に、便秘解消による美肌効果も期待できます。

コレステロールを下げ、アンチエイジング効果も!

ココナッツオイルに含まれるトコトリエノールという物質が体に良い働きをしてくれます。

トコトリエノールはビタミンEの一種であるため強い抗酸化力を持ち、コレステロールを下げ動脈硬化を予防してくれます。

ビタミンEはトコトリエノールとトコフェロールの2つに分類されますが、トコトリエノールの抗酸化力は非常に強く、トコフェロールの約50倍もあります。スゴイ抗酸化パワーが期待できますね。

ビタミンEはもちろん、肌の状態を改善し、美肌に導く若返りのビタミンともいわれていますからなおのことアンチエイジング効果を期待してしまいます。

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ケトン体でダイエット!?

ココナッツオイルは肝臓に取り込まれたら脂肪を分解して、ケトン体という物質に変化します。通常、人間の体はエネルギー源として糖質を利用していますが、ケトン体は糖質の代わりのエネルギー源になります。

ダイエットでは、パンやごはんなどの炭水化物をある程度制限するという方法が一般的です。この炭水化物こそ体のエネルギー源となる糖質です。

炭水化物を制限する、つまり糖質の摂取量を制限してダイエットしたとしても、ココナッツオイルを摂取することで、ケトン体が糖質の代わりのエネルギー源になってくれるためダイエットが成功するといわれています。

「ケトン体ダイエット」は順天堂大学の教授でもあり医師でもある白澤卓二さんが推奨されています。本も出ていますね。

認知症予防

人間の脳はブドウ糖をエネルギー源にして働くのですが、認知症はこのブドウ糖を効率的に使えなくなった状態と言えるのです。

ココナッツオイルの中鎖脂肪酸が肝臓で分解されることによって、ケトン体という物質ができるのですが、このケトン体がブドウ糖に代わって脳のエネルギー源になってくれるため、認知症の症状が改善していくとされています。

医学博士である白澤卓二さんはよくテレビにも出演されていて、認知症予防にココナッツオイルを推奨していますし、それに関する多くの書籍を出版されています。

  • 本当に認知症に効くのか?
    ただ、私のかかりつけ医の内科の先生は、「ココナッツオイルやえごま油が認知症に効くという話は聞いているが、何も実証されていないんですよ」と言っていましたし、確かに実証されていたら認知症の改善薬としてもっと爆発的に広がっているはずだと思いますね。個人的にはちょっと疑問が残ります・・・

認知症に効くからという話だけで、ココナッツオイルを多く摂取し続けることは問題があると考えます。
体に良いオイルであることは間違いなさそうですので、健康のために適量を摂取することはよいことだと思います。
参考:「生くるみの栄養・オメガ3脂肪酸」

ココナッツオイルの最適な摂取量と摂取方法

最適な摂取量

1日に大さじ2杯程度が適量とされていますが、最初のうちは様子を見ながら1日に大さじ1杯程度から始めたほうがいいかもしれません。

油を摂りすぎることで、下痢気味になりやすいと考えられます。もちろん体質によるでしょうが、調子にのって、てんぷらを食べすぎた翌日に下してしまったという話はよく聞きます。

ココナッツオイルの脂肪酸は、体に溜ることなくエネルギーとして使われるため、摂取量を気にしなくてもよさそうですが、ココナッツオイル大さじ1杯でなんと約100kcalもあるのです。意外と高カロリーですから摂りすぎには注意しましょう。

食べ方・飲み方

  • コーヒーや紅茶に入れて飲む
    ビンに入ったココナッツオイルはどろっとしたちょっと砂のようでもある固形状になっています。温かい飲み物に入れるとサッと溶けますので、コーヒーや紅茶に入れて飲むと飲みやすいです。スープなどに入れても、ほんのりとココナッツの香りが立ち上がっておいしく飲めると思います。
  • トーストに塗る
    軽くトーストした食パンに塗って食べてもいいのですが、バターやマーガリンを少し加えたほうが味的に食べやすいかもしれません。
    食パンをトーストして、バターを塗った上にココナッツオイルを塗ります。そしてハチミツを適量かけて食べるとさらにおいしく食べやすいですよ。
  • クラッカーに塗って食べる
    これもお手軽な食べ方です。クラッカーにビンから出したココナッツオイルを塗るだけです。コーヒーなどと一緒にとるといいですね。

まとめ

参考:えごま油 亜麻仁油 オリーブオイル インカインチオイル サラダ油が体に悪い理由 こめ油  「ケトン体を増やす食事方法」
アンチエイジングやダイエット・美容など健康にいいオイルとして、毎日と言わないまでも、日常的に取り入れたい食材です。認知症にも効果がありそうですから、しばらく摂取してみてもいいと思います。摂りすぎには気を付けていれば、食品ですから、害もなく大丈夫ではないかと思います。

ココナッツオイルを購入するなら、混ぜものがなく科学的な処理がされていない、エクストラバージンココナッツオイルを選びましょう。

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