とうもろこしは、米、小麦と並んで世界三大穀物の一つです。夏野菜の代表でもあり、バーベキューなどにも欠かせない素材がとうもろこし。
栄養素もたっぷり含まれていますが、食べ方によっては粒の薄皮が歯に挟まってしまうのがちょっと困りますね。この薄皮にも栄養分がありますので良く噛んで食べることが、栄養素を全部吸収するためのポイントです。
豊富な栄養分や、おいしいとうもろこしの選び方、保存方法など具体的に紹介します。ぜひ参考にしてください。
目次
とうもろこしの栄養と効果効能
栄養バランスが良い
三大栄養素である「たんぱく質」「脂質」「糖質」をバランスよく含み、オレイン酸やリノール酸、ビタミンB1、B2、E、鉄なども豊富に含まれ、疲労回復や美肌作り、アンチエイジング・老化防止が期待できます。
食物繊維
とうもろこしの食物繊維は100gあたり9.0gと非常に多く、水に溶けにくい不溶性食物繊維であるために、腸を適度に刺激し、腸をきれいにし、便秘の解消に役立ちます。サツマイモも食物繊維が多い野菜なのですが、とうもろこしはその約4倍もの食物繊維を含んでいます。
特にとうもろこしの粒の表皮にセルロースという不溶性食物繊維が含まれているのですが、良く噛まないと消化されにくいので、良く噛んで食べるようにしましょう。
リノール酸
栄養成分がいっぱい詰まっているのは、とうもろこしの粒の先端のちょっと細くなっている部分。ココを胚芽と言います。この胚芽部分が大切。包丁で粒をこそぎ取る時などは、この胚芽部分までしっかり切り取るようにしましょう。
胚芽に含まれるリノール酸は、悪玉コレステロール値(LDL)を下げて動脈硬化や心筋梗塞の予防に効果があります。
ビタミンB1
ビタミンB1は糖質をエネルギーに変えるサポートをしてくれます。疲労回復ビタミンともいわれています。
糖質(お米)をよく食べるなら、それをエネルギーに変えるためにビタミンB1が多く使われますので、不足しないように注意したい栄養素です。脳細胞に栄養を送る役目もあるため、脳神経を鎮めストレスを緩和する作用もあります。
ビタミンB2
新陳代謝、エネルギー代謝を促すために必要な栄養素で、皮膚や目や鼻などの粘膜を正常に保つ働きをします。ビタミンB2が不足すると、口内炎や皮膚の炎症がおこりやすくなります。
眼精疲労の回復にも欠かせないビタミンです。ビタミンB2は摂取しすぎたとしても、体内に蓄積されることはないので、積極的に摂取しておきたいビタミンです。
ビタミンE
抗酸化作用が強いビタミンで、体内に増えすぎた活性酸素を除去して、細胞が壊されることを防いでくれます。細胞や肌の老化防止になるのです。
カリウム
血圧を下げるために貢献してくれる成分ですね。余分に取り過ぎた塩分を排出してくれるため血圧を下げる効果があるのですね。
「血圧を下げる食べ物」をご参照ください。
ゼアキサンチン
とうもろこしの黄色い色の成分は、ゼアキサンチンといわれビタミンEと同じく活性酸素を除去する作用があります。
とうもろこしの上手な食べ方・きれいな食べ方
歯に挟まらずにきれいに食べる方法
祭りの屋台や、バーベキューでは焼きトウモロコシはめちゃおいしく感じますよね。しかし、特に女性はとうもろこしの粒が歯に挟まるのが嫌だったり、きれいに食べられないということが気になるかもしれませんね。
焼きトウモロコシを両手で持って、そのままかぶりつくという人がほとんどではないでしょうか?もちろんそれでいいのです!また食べ方としてはどうしても上の歯で、粒をこそぎ落とすように食べる人が多いはずです。このような食べ方だと、どうしても粒や薄皮などが歯に挟まってしまったり、粒の取り残しが出てしまいます。
上の歯ではなく下の歯で食べるようにするときれいに食べることが出来るのです。両手で持ったとうもろこしを、上から下に回しながら、下の歯でこそぎとる感じで食べます。こうすることで粒や薄皮が歯に挟まることが非常に少なくなりますよ。
料理用にきれいに芯から粒を取る方法
とうもろこしを両手で横長にして持った状態で、まず横一列だけの粒をきれいに外します。
外したら、その一列は溝のようになりますね。その溝の上の列の粒を、溝に向かって親指で一粒ずつ押していきます。そうすると、面白いようにポロポロを粒が外れていきますよ。時には一粒一粒ではなく、列ごときれいにポロっと外れます。ぜひ試してみてください。
とうもろこしと食べ合わせがいい食べ物
とうもろこしは食物繊維が多いので、食品を上手く組み合わせて食べることで、ダイエット効果やデトックス効果が期待できます。
- モロヘイヤ・白菜・レンコンなどを一緒に摂ることで、胃腸の働きが活発になり、免疫力もアップします。
- かぼちゃ・くるみ・ごま・卵など合わせて食べると、老化防止や認知症の予防につながります。
- もやし・のり・あずきと食べることで、胃腸の働きを高める作用があります。
- たけのこ・セロリ・せり・ピーマンといっしょに食べると、高血圧の予防や動脈硬化の予防、また肌質を整える効果が期待できます。
おいしいとうもろこしの選び方と保存方法
- 実
一粒ひとつぶがしっかりとした膨らみがあり、隙間が無く、先の方までぎっしりと詰まっているものが新鮮で良いです。古くなっているものの粒は水分が少なく、少し凹んでいるように見えます。 - 軸
とうもろこしの下の部分の軸です。この部分の切り口が青くみずみずしい状態であれば新鮮です。 - 皮
皮にハリがあり、しっかりしていてみずみずしいもの。ちょっと乾燥気味でパリパリしているようなものは古くなっているの注意しましょう。 - ひげ
ふさふさとしっかりした量があって、茶色い部分が濃いものほど良く熟しています。スーパーなどではヒゲをとられて売られているものもありますが、「ひげ」は「とうもろこしのひげ茶」でも紹介させていただいたように、栄養分があり、健康茶として飲むことが出来ますので捨てずに利用しましょう。
保存方法
とうもろこしは、収穫後、鮮度と栄養素が減っていくのが早いので、基本的には買ったその日のうちに食べきってしまうことです。
それでも余ったものは、ゆでてから、実の粒部分だけをとり、ラップで包んで、ジップロックなどに入れて冷凍保存することが出来ます。3~4日以内に食べきるようにした方がいいでしょう。
まとめ
とうもろこしは甘みと食感がいいだけではなく、栄養バランスがとれていて、食べ合わせによっては、その栄養分の摂取効率がアップされてとても体にいい食べ物なのです。
食べ方もちょっとの工夫で、きれいに、しかも歯に詰まらずに食べることが出来ます。夏の露地物は甘くておいしいですから、旬の時期にはぜひ食べてみてはいかがでしょう。