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どんな食品でもバランスよく摂取するように心がけている方は多いですね。

しかし体に良いと思って食べた様々な食品が、食べ合わせが悪いと、栄養素の組合せによって体に害を及ぼしたり、栄養素同士の効能を打ち消しあったりすることがあります。

逆に食べ合わせによっては、相乗効果で体に対する栄養効果を高める働きがある食品もあるのです。このように食べ物には相性がありますので、知っておくとより良い栄養摂取につながりますよ。

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食べ合わせが悪い食べ物

「食べ合わせ」と最近ではいわれていますが一昔前までは「食い合わせ」というのが普通だったようです。言い方の問題ですが、上品になったということですかね・・・

「悪い」というより「良くはない」ということ

食べ合わせがよくないとされる食品で有名なのは「うなぎと梅干し」ですね。
この二つを同時に食べると、腹痛や食中毒を起こしたりするというものです。

でも、実際にこんなことが起こった話って、聞かないですよね。食べ合わせによって、大変なことになるというよりも、栄養を打ち消しあったり、栄養のバランスが悪くなってしまうという程度のことであるとも言われています。

食べ合わせがよい食べ物も後で紹介しますが、「食べ合わせが悪い食べ物」をまず知っておくことで少なくとも栄養バランスが悪くならないようにする、せっかくの栄養素を摂取しにくくしてしまうなどということは防げます。

チーズと枝豆

居酒屋では定番ですね。まず枝豆とビールで始まる飲み会ですが、どんどん追加注文していく中で、ほぼ必ず「チーズ」が含まれたメニューが登場します。女性ならなおさらチーズは好きですからね。

枝豆にもチーズにも栄養素はとても多く体にもいいですね。
枝豆は、豊富なビタミン類と、アミノ酸メチオニンがアルコールの分解を促して肝臓の負担を軽くしてくれるのです。

しかし枝豆に含まれているフィチン酸が、チーズのカルシウム分を吸収することを妨げてしまいます。

体に悪いというよりは、せっかくのカルシウム分を摂取しにくくなるということですね。
まぁ、こんなこと考えていたらお酒がおいしくありませんが・・・

「枝豆の栄養と効能」もご参照ください。

ラーメンとライス

いわゆるラーメン屋さんでよくあるメニューの「ラーメンライス」ですね。
この組み合わせは、体に悪いわけではないのですが、炭水化物どうし、糖質どうしなので、ほとんど栄養素が摂れないだけでなく、栄養の偏りになります。

ご飯を全部食べるなら、塩分の濃いラーメンのスープも全部飲んでしまうのではないでしょうか?こんなこと言ったらラーメン好きには怒られますね。スープは全部飲め!って。

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特に関西の人は「お好み焼き」と「ご飯」、「たこ焼き」と「ご飯」、「焼きそば」と「ご飯」なんてほとんど当たり前ですね。若干野菜や具材があるものの炭水化物と炭水化物の組合せであることは同じですから、他に栄養分を補える副菜を用意しましょう。

ゆで卵とほうれん草

ほうれん草と卵の組合せ料理は良くありますし、栄養分の組合せもいいのです。
ほうれん草の鉄分をしっかり吸収するために、卵のたんぱく質やビタミンCが効果的に働いてくれるのです。

ほうれん草と卵を使う料理なら、ゆで卵ではなく、ほうれん草に落とし卵、やスクランブルエッグがいいです。

ゆで卵が良くないのは、卵の硫黄分を含んだアミノ酸が、熱を加えられることで、硫化水素に変わるのです。この硫化水素は鉄分の吸収を半減させてしまうからです。
でも、「ゆで卵とほうれん草」という組み合わせで食べることは少ないですよね。

「ほうれん草の栄養と効能」もご参照ください。

もみじおろし

もみじおろしは、多くの家庭でも普通に食べている添え物ですし、大根おろしと人参おろしを混ぜたものは特に悪いようには思いません。

しかし、人参に含まれる酵素の一種であるアスコルビナーゼが、大根に豊富に含まれるビタミンCを破壊してしまう作用があります。もみじおろしだけでなく、千切りにした大根と人参を合わせたなますも同じ理由でさけたほうがいいでしょう。

トマトときゅうり

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この2品の組合せも、「もみじおろし」と同じ理由でさけたほうが良いのです。
酵素の一種であるアスコルビナーゼがキュウリに含まれているため、トマトの豊富なビタミンCを壊してしまうのです。この組み合わせは、サラダには定番なのに、良い食べ合わせではないことは知らなかった方も多いのではないでしょうか?

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ほうれん草とベーコン炒め

よく作る副採ですし、ほとんど定番といっていい料理ですね。非常にマッチしていて味の組合せとしては、抜群のように思えます。

しかし、ベーコンには、食品に酸味を加えるためのリン酸が加えられているのですが、せっかくのほうれん草の栄養分であるカルシウム分と鉄分は、ベーコンに含まれるリン酸によって体内に摂取されにくくなるのです。

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食べ合わせが良い食べ物

食品の組合せによっては、お互いの栄養素を吸収しやすくする食べ合わせがあります。

肉と果物・フライとレモン

酢豚にパイナップルを入れるなんて許せないという方もいますが、酢豚などの豚肉料理や、ハンバーグ、ボークチョップなどに付け合わせとして、パイナップルが添えられていることがありますね。

パイナップルに含まれるクエン酸が、肉の脂肪やたんぱく質を分解するために働きます。胃での消化作用に大きく役立ってくれます。魚の揚げ物にもレモンが添えられていることも同じ理由からですね。

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豆腐と海草

大豆には、脂肪を分解して体内への吸収を抑えるサポニンが含まれています。しかしサポニンは、すでに体の中にあるヨードを排出してしまう性質もあるのです。このため、ヨードを補給するという意味でも、海草を一緒に摂取することが良いとされています。

冷や奴とかつおぶし

豆腐にかつお節はむかしから定番料理ですね。この当たり前のような組み合わせには、ちゃんとした理由があるのです。

豆腐にはフェニルアラニンやトリプトファンという必須アミノ酸が豊富に含まれているのですが、リジンやメチオニンは不足しています。

しかし、かつお節の栄養素はその逆で、リジンやメチオニンが豊富なのですが、フェニルアラニンやトリプトファンが足りないのです。

このため、お互いの不足栄養素を補いあう形で、良質なたんぱく質を摂取できることになるのです。
むかしから食べられているこの組み合わせは抜群のマッチングだったんです。それにしても昔から日本人はこんな栄養学まで良く知っていたものだと感心しますね。

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豚肉とにんにく

にんにくには、アリシンという成分が含まれており、ビタミンB1の吸収率を上げる働きと、タンパク質の分解消化も助ける働きがあります。

ビタミンB1は、摂取量が少なくなりがちな栄養素の一つですが、豚肉に多く含まれるためにんにくと一緒に食べるとその吸収がよくなります。なんとなく調味料的に使われている素材も、ちゃんと意味があるのですね。

「にんにく臭い消し」が参考になるかもしれません。

刺し身と大根

刺し身のつまに、大根の千切りや、海草がちょこっと添えられていますね。

刺し身自体は消化が良いのですが、大根に豊富に含まれる、消化酵素であるジアスターゼが消化吸収の補助をします。

また、海草にはアミノ酸やビタミン・ミネラルが豊富で、海草に含まれているアルギン酸は血液が固まることを防ぐ働きがありますので、血圧の高い方はぜひ摂取したい食材でもあります。
このような組み合わせにも栄養学的な意味があるのです。

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ほうれん草とかつお節

ほうれん草には蓚酸(しゅうさん)という、カルシウムの吸収を阻害する物質が多く含まれているのです。カルシウムの吸収を阻害するだけでなく、体内にあるカルシウムと結合して結石を作りやすいとも言われています。

体内の蓚酸の割合が多くなってくるほど、結石が出来やすいようですから、カルシウム分を含むかつお節を一緒に摂ったり、また牛乳を飲むこともいいです。

ほうれん草には鉄分が多いからと言って、これだけを多く食べることには気を付けたいですね。やはりバランスが大切です!

まとめ

食べ合わせが悪い食べ物を摂ったからといって、その時点で大きな害が出ることはほとんどないようですが、気を付けたほうがいい食べ物はあるのです。

栄養分の吸収を悪くする食べ合わせや、逆に良くする食べ合わせもありますので、知識としてはしっておいて損はないですね。

栄養分が高い食材だからと言って、それだけを多量に摂取しても意味がありません。体は余剰な栄養分はそのまま吸収せずに排泄してしまうからです。

バランス良く他品種の食品を摂取することが、やはり大切ですね。

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