「玄米の食べ方」とあらためて言われなくても、ほとんどの方はご存知かもしれませんね。
玄米はビタミンやミネラル、食物繊維などをはじめ、人間の体に必要とされる栄養素のほとんどを豊富に、しかもバランスよく含んでいるため、「完全栄養食品」と言われています。
このように栄養価に優れた食品ですから、栄養分を効率的に摂取できる玄米の食べ方を知って、しっかり玄米の栄養素を摂取できるようにしたいものです。
目次
玄米と白米
玄米
玄米は、稲のもみ殻部分を摂っただけの状態のものです。この状態のお米は「ぬか層」「胚芽」「胚乳」がついています。
昔の主食は玄米だった
江戸時代ころから、「ぬか層」や「胚芽」を取り除いた白米が食べられ始めたようです。それまではもちろん、玄米が主食です。
このころから昭和初期まで、ビタミンB1が不足して起こる脚気(かっけ)がはやり始めたと言います。
ビタミンB1は玄米にはとても多く含まれているので、玄米食が減ってきて脚気が流行った理由もうなずけますね。
玄米と白米の栄養価
単純に玄米と白米の栄養面の比較をしてみると、ビタミンB1は白米の約4倍、B2は2倍、食物繊維は約3倍、鉄分やリン、カルシウム、カリウムは約2倍も含んでいるのです。
ビタミンB1は糖質の代謝を助け、B2は皮膚を丈夫にし、血をきれいにし、美肌効果もあります。
たんぱく質も7~8%もあり、リノール酸やオレイン酸もバランスよく含まれています。
玄米は人間の体にとってほぼ完璧に栄養分をそなえているです!
白米
しかし白米は、栄養分が豊富につまっている「ぬか層」と「胚芽」の一部を取り除いたもので、栄養素は玄米とは比べ物にならないほど減少してしまっています。
このような理由で「粕(かす)」ともいわれるのです。
ただ、白米が栄養が取り除かれていることがわかっているのに、白米食の方が優勢であることにも理由はあるのです。それは玄米の食べ方は手間がかかるからです。
玄米の食べ方はちょっと面倒です・・・
白米は炊飯器や土鍋でも簡単に炊くことが出来ますよね。
ところが玄米は、なかなか煮えにくく、ばさばさしていて味も「おいしい」とは言えず、出来上がったものを普通に食べても消化・吸収がよくないのです。
見た目にも、ふわぁ~っと湯気が立っている白いご飯の方がおいしそうに見えませんか?
しかし、栄養面から考えるとこれほど素晴らしい食材は玄米をおいてほかにないといってもいいほどです。
おかゆで食べる
もちろん、普通に炊いて食べればいいのですが、幼児や病中病後の方などにはさらにやわらかくしてあげることが望ましいですね。
玄米は硬い外皮で覆われてるため、おかゆとして煮込んでもビタミンなどの栄養分が抜けることがありません。柔らかく煮て、消化のよい状態にしたうえで食べるとより栄養吸収はよくなります。
「玄米の黒炒りスープ」のパワーがすごいんです!
自然栽培された無農薬の玄米を選びます。この玄米を洗わないでゆっくりと、とろ火で1時間半くらいかけて黒くなるまで炒ります。
この黒炒りした玄米1に対して10の水を加えて、水が3分の1位になるまで煮詰めます。そうすると、見た目はコーヒーのような飲料が出来上がります。味はあまりないですが甘味料など加えずにそのまま飲みましょう。
熱いところをフーフーして飲むのですが、風邪をはじめ、難病にも大きな働きをしてくれるようです。黒炒り玄米は熱をとったり、体の中にたまった老廃物や毒素などの毒出しの働きが期待できます。
玄米の効用
一汁一菜でいい
玄米にはすでに豊富な栄養分が含まれているため、多くのおかずを用意しなくてもいいのです。というより玄米だけでほぼ完全な、ミネラルやビタミンの栄養素がバランスよく含まれているため、あまり多くのおかずを摂らない方がいいのです。一汁一菜でOKなのが玄米食なのですね。
ただ、玄米だけでは動物性タンパク質は不足するので、少し副食に加えるといいですね。
よく噛む
玄米は、白米より硬いので、唾液とまざりあってドロドロになるくらいによく噛まないと消化吸収に良くありません。ですから、ゆっくり時間をかけて食べなければ栄養分を吸収できません。
人間の脳は、食べだしてから20分くらい経って、やっと満腹感を感じるようになっているようですから、早食いでちょっと肥えてきている人には最適な食事と言えるのではないでしょうか?
便秘の解消
玄米に豊富に含まれている食物繊維は、よく噛んで食べることで、腸の蠕動運動を促進する働きをしてくれます。もちろんこれは便秘の解消につながりますが、本当によく噛まないと未消化の状態になり、かえってそれが原因で下痢っぽくなることがありますので注意して下さい。
小豆を少し加えて炊くとさらに食物繊維を摂ることが出来ますので、便秘がちな女性にはお勧めです。どちらにしろ、よく噛むことはポイントですよ!
貧血によい
鉄やリン、カリウム、マグネシウムなどのミネラルや豊富なビタミン類を含んでいるので、緑黄色野菜とともに食べることでさらに栄養バランスもよくなり、貧血気味の人には良いよう食品なのです。
フィチンが有毒物質を排出
玄米に含まれているフィチン酸が、放射性物質や有毒物質を排出する働きをしてくれます。
玄米にハト麦を加えて炊いたものと、牡蠣やごまなどのカルシウム分の多い食品、ヨード分の多い海藻類、納豆などを一緒に食べることで、血液を清浄にすることが出来ます。
ゴマにも豊富なミネラルやアミノ酸が含まれていて、小さい食材ですが必ず摂取したい食品です。美肌を作る効果もあるのですよ!
ごまの効能についての記事もご参照いただければと思います。
玄米の炊き方
圧力鍋で炊く
炊く前に水洗いして3時間から半日くらい置いておきます。水の量は玄米と同量か、やや多め二します。塩を一つまみ入れておくとうまみが増します。
圧力鍋で炊きますが、強火で沸騰させます。圧力鍋の重りがくるくると回り始めるころです。沸騰したら弱火にして約20分位炊いて火を止めます。
これで出来上がりですが、10分ほど蒸らしてから蒸気を抜くといいです。
電気炊飯器で炊く
最近の炊飯器なら、玄米を炊く設定をするだけで簡単に炊くことが出来ますね。
そのような機能がない炊飯器でも、半日ほど水に付けおきしてから、白米と同じ水加減で炊きます。スイッチが切れてすこし蒸らしたら、50~100mlの水を入れて二度炊きすることでおいしい玄米ご飯が出来ますよ。
ハト麦や小豆などを入れて炊いても風味が増していっそうおいしいと思います。
まとめ
完全栄養食品と言われる栄養豊富な玄米ですから、ぜひ食生活に摂り入れていきたいものです。
今日からいきなり玄米食にするというのも、手間もかかりなかなか難しいですし慣れないと思いますから、週に1~2回からでも初めてみてはどうでしょう?
全食を玄米に変えなくても、玄米食の比率が多くなるだけでも十分健康に役立ってくれると思います。
白米にはない玄米の「大地の自然の力」を摂り入れない手はありませんよ!