金閣寺内にある金閣寺不動が、目の神様であることは意外に知られていないのではないでしょうか。きらびやかな鹿苑寺金閣の境内の片隅に「不動堂」があり、目の神様として安置されています。
本尊は不動明王様ですから、目の仏様といった方がいいかもしれません。京都で「眼病平癒」のご利益がある神社お寺の中でも、最も有名な場所です。観光で金閣寺を訪れる参拝者はこの「不動堂」をスルーしてしまう方も多いようですが、「目の神様」にお参りをされてはいかがでしょうか。
鹿苑寺金閣
一般に「金閣寺」と呼んでいるのは、鹿苑寺金閣(舎利殿)のことです。漆の上に純金の箔が張ってあり、屋根の上には純金の鳳凰が燦然と輝いています。
1937年に足利義満がこの地にあった「西園寺」を譲り受けて改築したものです。京都の重要文化財として世界遺産に登録されている臨済宗相国寺派の寺院です。でも舎利殿は「国宝」ではないのですよね。
金閣寺不動(金閣寺内)
不動堂
金閣寺の参拝順路に従って歩いて行くと、金閣寺庭園出口付近には、茅葺の質素な「夕佳亭(せっかてい)」という茶室があります。出口を出ると、夕佳亭の斜め向かいの位置に「不動堂」があります。
不動堂には弘法大師が造ったとされている石不動明王が祀られていて、鎌倉時代に造られた不動明王立像も安置されています。
嘉永元年(1225年)に建立されたのですが、文明17年に焼失後、宇喜多秀家によって再建されています。古い建物とはいえ、絢爛な鹿苑寺金閣の境内にあるとは思えないほど、建物は痛みが激しく、本瓦葺の入母屋造りではあるのですが、ちょっと質素すぎはしないかと思うほどです。
不動堂は鹿苑寺境内の中で最古の建築物で、1962年に解体され修理がおこなわれています。
金閣寺はもちろん、拝観料金が必要ですが、不動堂だけにお参りするのであれば入場料を払う必要はありません。金閣寺に入っていく正面(メインゲート)に「黒門」があり、この黒門を入ってすぐ右斜め方向に進むと石段がありますので、登るとすぐ右手に「不動堂」があります。
石不動明王像
石不動明王像は不動堂の本尊として祀られています。秘仏とされ、いつでもその姿を拝めるわけではありません。節分の日と、五山の送り火が行われる8月16日の、年に2回だけ開扉法要の時に開扉されます。開扉法要では秘仏石不動明王像が公開され、お堂の前で大般若経の祈祷が行われます。石不動明王は西園寺公経が造営した「西園寺」の遺像といわれています。
不動明王立像
重要文化財の木造不動明王立像は、石不動明王と共に堂内に安置されています。木造不動明王立像も石不動明王と同じく、西園寺の護摩堂に安置されていた遺像といわれています。
金閣寺不動・「目」のご利益
寺伝によるとこのお不動さんは、生身で伊勢から歩いて来られたとも伝えられてはいますが、実際には応永元年(1394年)に金閣寺の前身である「西園寺」から遷されています。
ご利益は「眼病平癒」。首から上の病、特に目の悪い人には霊験あらたかとされています。
お堂の前のお札には下記のように書かれています
- 「金閣寺のお不動さん」
本尊のお不動さんは弘法大師の作で 等身大の石不動明王を安置する寺伝によれば 首から上の病気 特に眼病に霊験あらたかであります どうぞお詣りください。
御朱印
金閣寺、不動堂、共にご朱印をいただけるの処は、不動堂の真向かいにあります。
まとめ
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多くの観光客は、やはり「金閣舎利殿」だけがお目当てです。当たり前といえば当たり前ですが、境内には、茶室「夕佳亭(せっかてい)」や足利義満が手植えしたと伝えられる「陸舟の松(りくしゅうのまつ)」、荼枳尼天(だきにてん)、竜門の滝(りゅうもんのたき)など幾つもの見どころがあります。観光順路の最後に位置する「不動堂」にも眼病平癒や眼病予防の参拝にぜひ訪れてみて下さい。